目次
【薄毛対策】どっちが生える?5㎎ vs 10㎎ ミノキシジルを徹底比較!
今回は、ミノキシジルは量を増やすと効果も上がるのかについて解説します。
こちらの解説では、ミノキシジルの濃度・用量を増やした時の効果と危険性について学ぶことができます。自分が何%、何㎎のものを使えば良いのかについては、主治医との相談になるかと思いますが、そういった時の参考にしていただければと思います。
<ミノキシジルの基礎知識>
ミノキシジルはAGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)に使用される、唯一、発毛作用がある薬と言われています。もともとは重症の高血圧の治療薬として使われていたものですが、副作用として多毛症が見られたため、薄毛治療薬として開発されるようになりました。塗り薬・内服薬・注射薬がありますが、国内で使用が承認されているのは、安全性の面から現状は塗り薬のみです。内服薬については、国内未承認ですが、少ない用量で使用した場合の効果や安全性の研究が進んできています。
▼ミノキシジルの多毛症・メリット・デメリットについて詳しくお知りになりたい方はこちらも併せてご覧ください
<ミノキシジルの外用薬>
ミノキシジルの外用薬は日本のガイドライン(男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版)では、推奨度が最も高いAランクに位置付けられています。このガイドラインの中では、男性が5%、女性が1%の濃度を推奨しています。薬局で購入できるものも5%の濃度が最高用量となりますが、個人輸入や一部のクリニックでは濃度5%以上の外用薬も扱っています。では、濃度を高くすればするほど効果が高いのか、危険性はないのかという疑問が出てくるかと思いますので、それについてこの後解説していきたいと思います。
<外用薬の濃度と効果>
AGAの393人を対象に行った試験において、濃度5%を使用した群が2%を使用した群に比べ、「客観的に評価した毛髪の増加数」「患者自身の評価」いずれも、5%の外用薬を使用した群が優位に優れていて、かつ、毛髪数に対して早く効果が現れました。それ以上の濃度に関しては、5%と10%で比較した試験が2021年に報告されています。AGAの症例90例を対象に行った試験において、「毛髪の増加数」は5%と10%では増加数に差はないという結果になりました。なお、副作用に関しては、皮膚の炎症を起こした割合は5%を使用した群が22.2%、10%を使用した群が100%でした。また、初期脱毛が発生した割合は5%を使用した群が55%、10%を使用した群が100%でした。この試験の報告だけで一概には言えませんが、濃度を5%から10%に増やしても効果はあまり変わらないにも関わらず、皮膚の炎症や初期脱毛などの副作用が高確率で起こる結果になりました。もし、外用薬の濃度アップを検討している場合は参考にしていただければと思います。
女性の薄毛、FAGAの症例を対象に、5%と15%で比較した試験が2016年に報告されています。濃度別効果は5%を使用した群が約40%、15%を使用した群が約60%に効果が認められました。なお、中断に至るまでの副作用の症例はありませんでした。というわけで、FAGAに対しては濃度を上げることで効果が期待できる可能性はあるかもしれません。濃度を上げても問題なく使えることもありますが、濃度が高いため、粉っぽいフケやかゆみが出てしまい、結局は濃度を下げて使用することもあります。いずれにしても少ない濃度で効果が出ることに越したことはないので、まずはガイドラインで推奨されている濃度で初めてみると良いと思います。
内服薬は用法用量を守り、継続して服用することで効果を発揮します。
▼お薬をサボってしまうとどうなってしまうのか?当クリニックの症例をご覧ください。
【まとめ】
ミノキシジルは、男性型脱毛症や女性男性型脱毛症に使用される、発毛作用がある薬である。ミノキシジルは、元々は重症の高血圧の治療薬として使われていたが、多毛症が見られたため、薄毛治療薬として開発された。ミノキシジルの外用薬は、男性が5%、女性が1%の濃度が推奨されている。濃度を増やすと、5%と10%で比較した試験において、「毛髪の増加数」に差はなかったが、副作用のリスクが高まる。使用する際には、主治医との相談が必要である。
記事監修者
Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI YouTubeチャンネル
わたしたちはYoutubeを通して、医学的エビデンスに基づいた髪・頭皮に対する正しい情報を発進しています。
頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。