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AGA治療で副作用になる確率は●●%!?東大卒医師が徹底的に解説します。

AGA
2023.03.21
AGA治療で副作用になる確率は●●%!?東大卒医師が徹底的に解説します。

目次

    AGA治療で副作用になる確率は●●%!?東大卒医師が徹底的に解説します。

    今回は、「AGA治療で性欲低下 不妊になるのか」について解説します。

    AGA治療薬と副作用

    AGA治療に使われる内服薬は大きく分けて2種類あります。
    治療の1番基本となる抜け毛を抑制する作用のある「フィナステリドとデュタステリド」、もう1つは発毛を促進する作用のある「ミノキシジル」です。
    性欲低下や男性不妊の副作用の可能性が出てくるのはフィナステリドとデュタステリドになります。

    性欲低下が起こる割合

    性欲低下が起こる割合については、研究の報告によってバラつきがありますが、フィナステリドは約4%、デュタステリドは約6%と報告されています。2019年に発表されたフィナステリドとデュタステリドによる性的機能不全に関するメタ解析では、性欲減退・勃起不全などの副作用のリスクは1.57倍という結果が出ました。ただ一方で、同年の2019年に発表されたフィナステリドを内服している群としていない群それぞれ約700人に行ったアンケート調査では、20%以上が性欲減退を申告していますが、フィナステリドを内服している群としていない群の性欲減退の割合に差はないという結論になりました。そのため、性欲減退については、一定の割合で生じることは確からしいですが、それが本当にフィナステリドの影響なのかプラセボ効果なのかハッキリと決着はついていません。

    内服中止後も性欲低下は続くのか

    フィナステリドとデュタステリドによる勃起不全が薬剤中止後も遷延する場合があるという報告も散見されていますので、そこについては少し注意が必要かもしれません。
    性欲低下などの症状が薬剤中止後も続いてしまう状態を「ポスト・フィナステリド症候群」と呼ぶこともあります。フィナステリド投与群とプラセボ投与群の性的な副作用を比べた試験があるのですが、薬剤の投与を中止して6ヵ月後にも副作用が持続していた割合は、フィナステリド投与群では50%、プラセボ投与群では59%で、むしろプラセボ投与群の方が多かったという報告もありますので、これについても議論の余地はありそうです。
    デリケートな問題ですので実は悩んでいるけど言い出せない人もいるのかもしれませんが、内服を継続できないほど性機能に支障をきたす例はないため、基本的にはかなり頻度の低い副作用かと思います。

    AGA治療薬と男性不妊

    男性不妊に関する副作用も報告されています。具体的には精子の数・量・運動性が低下したという副作用です。ただし、この副作用についても基本的には心配しなくて良いかと思います。何故かと言うと、これまで報告されている論文を見ると、精子の数・量・運動性の低下は見られるものの、あくまで正常範囲内での増減に留まっていることが多いからです。さらに、内服を継続している間に精子の数が回復するとも言われています。本格的な不妊治療を検討していない限り、あまり敏感になる必要はないでしょう。
    ただし、1つ注意が必要なのは女性への影響です。そもそもフィナステリド・デュタステリドはFAGA(女性男性型脱毛症)に対する効果がないことが実証されているため、使用されることはないのですが、もし妊婦に投与してしまうと男性ホルモンが低下し、男の子の胎児がいる場合には胎児の生殖器官の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、妊婦・授乳中の女性への投与は禁忌とされています。フィナステリド・デュタステリドは皮膚からでも有効成分が吸収されてしまうため妊娠中は薬に触れないように注意が必要です。

    内服中の妊活への影響

    精子の数・量・運動性は、あくまで正常範囲内での増減なので、通常の妊活をする場合は内服を継続しても問題ありません。もちろん万全を期したい場合には内服を中断しても良いかと思いますが、内服を中断することで、今度はAGAに対する効果が止まり薄毛が進行してしまいます。そのため、よくパートナーに相談する必要があるかと思います。
    一方で、フィナステリドを内服している人が男性不妊症の検査をして精子の量が極端に少ないことが判明した事例はやはり存在します。しかし、この場合もフィナステリドの内服を中止することで精子の数が10倍以上に回復することが分かっていますので、こういった場合にはフィナステリドの内服をお休みする必要があります。

    AGA治療薬の休薬期間

    休薬期間については医学的に確立した期間がないため、AGA治療の主治医や不妊治療の主治医とよく相談しましょう。ちなみに、フィナステリド内服後の血中濃度の半減期は約4時間で、24時間後にはほぼ0になります。一方で、デュタステリド内服後の血中濃度の半減期は3~4週間と長いため、受精のタイミングに合わせて休薬するとしたら、理論的にはフィナステリドの方が休薬期間は短くて済むということになります。

    まとめ

    フィナステリドとデュタステリドで性欲低下・勃起不全・精子の数や質の低下が起こりえますが、明確な因果関係は証明されていません。
    不妊の原因にはなりにくいですが、不妊治療時にはパートナーとよく相談し、場合によっては休薬を検討しても良いでしょう。

    記事監修者

    勇 亜衣子
    一般社団法人Next Beauty Labo 代表理事
    Dr. TOUHIクリニック 総括院長

    勇 亜衣子

    いさみ あいこ
    【経歴】

    東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
    脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr. TOUHI AGAクリニック」「Dr. TOUHI ヘアメディカルサロン」開院

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