東大卒 医師が語るAGAの真実
目次
今回は最近よく耳にする「AGA」に関して医師の監修のもと説明していきます。
美容師をしていた10年ほど前は、「AGA」はあまり耳にしませんでした。
AGAとは
そもそも「AGA」とは何かという事に関して解説します。
「AGA」とはアンドロジェネティック アロペシア(Androgenetic Alopecia)の英語の略です。
Androgeneticが雄性の、雄の、男性ホルモン性の、アンドロゲン性のという意味で、Alopeciaが脱毛症という意味をさします。
日本語でいうとAGAは男性型脱毛症という病名になります。
健康状態に影響するわけではないので病気と捉えるかどうかは考え方によります。
AGAの原因
「AGA」の発症要因はなんでしょうか。
原因はほぼ解明されており、遺伝と男性ホルモンであるアンドロゲンが原因で発症します。
男性ホルモンが毛根の細胞に作用して、正常なヘアサイクルを乱してしまうのが大きな原因です。
正常なヘアサイクルでは毛根の細胞で毛が作られて、成長期の間に成長します。
その後退縮して寿命を迎えて抜けるのを繰り返しているのです。
正常な場合はこの成長期が2~6年といわれています。
AGAの場合はこの成長期が正常な場合と比べてかなり短く、数ヶ月程度になって髪がすぐ抜けてしまう状態です。
これは、男性ホルモンであるアンドロゲンが、毛根の細胞にある5α還元酵素という物質によって活性化しジヒドロテストステロンという強い物質に変化します。
そしてその作用で脱毛してしまうのです。
このアンドロゲンを活性化する5α還元酵素は生え際と頭頂部に特に多く存在しており、そのためAGAで薄毛になるのは生え際と頭頂部と決まっています。
男性ホルモンは全員が持っているものですが全員が薄毛になるわけではありません。
薄毛になるかどうかを決めるのは遺伝も大きな要素です。
薄毛になるのは「アンドロゲンに対する感受性が強い」「5α還元酵素の活性が高い」性質が遺伝で受け継がれその結果AGAを発症しやすくなります。
AGAを発症する人の割合
実際にAGAを発症する人の割合はどれくらいでしょうか。
AGAの発症頻度は1981年に日本人に対して行われた調査では下記の通りでした。
平均すると32%、男性の3人に1人がAGAで低くない発症頻度といえます。
2004年には毛に関する意識調査が行われました。
これは1981年の調査と異なり、医療者側がAGAと診断するわけではなく自分で薄毛、抜け毛を自覚しているか調査したものです。
その結果は下記の通りでした。
1981年のデータと比べてみると、40代~50代の割合はほとんど変わらないのですが20代~30代の割合が高くなっています。
20年間の間でAGAの発症の割合が増えたとも考えられますが、若い世代の薄毛とか抜け毛への関心が高まってきている事を反映しているというふうにも捉えられます。
実際20代で12.5%が薄毛、抜け毛を自覚しているので、10人に1人以上にあたります。
AGAの診療をしていても20代、30代といった若い患者さんも多く受診に来られ中には人間関係や恋愛を諦めてしまうなど日常生活に支障をきたす場合もあります。
AGAの治療方法
AGAはどう治療すればいいのでしょうか。医師の監修のもと、具体的に解説していきます。
AGAの治療は基本的に内服薬で治療します。
ただ病気と捉えるかはグレーゾーンなところではあるので保険適用外診療になります。
■内服薬の種類
内服薬は大きく分けて抜け毛を抑える薬
・プロペシア
・ザガーロ
(代表的な薬となり、現在はジェネリック医薬品があります。)
発毛を促進するタイプの薬
・ミノキシジル
(薬で効果が高い薬ではありますが、日本では安全性から未承認で治療ガイドラインでも推奨はされていないものです。)
■塗り薬
オプション的な治療では「ミノキシジル」の塗り薬もあります。
これは治療ガイドラインでも推奨されており、OTC医薬品という薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる医薬品の範囲です。
これから治療を始めるという方にもおすすめです。
■メソセラピー
メソセラピーという治療方法もあります。
頭皮に発毛を促進する「ミノキシジル」を含んだ成分を直接注入する治療です。
注入方法に関してはいくつか方法があって「ミノキシジル」を直接注射器で針をさして頭皮に注入する方法や針のついた専用の機械で注入する方法、また針がない炭酸ガスレーザーで注入する方法など色々な方法があります。
AGAの進行度によって治療方法を使い分けており、早い段階であれば内服薬のみで効果を期待できますが進行が進んでしまった場合にはメソセラピーを併用した方が効果は出やすいです。
AGAが進行しきり、毛根の細胞が死んでしまうといくら薬をいれても髪の毛が生えてくる場所がないのでAGAの治療を行うにあたっては進行度に対する治療が早ければ早いほど治療効果が出やすいことは証明されています。
また同じ進行度でも年齢が若ければ若いほど、治療効果が出やすいです。
まとめ
① AGAは3人に1人が発症する男性型脱毛症
② 放置すると進行するので、早めの治療が肝心。
記事監修者
Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI YouTubeチャンネル
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