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タバコやお酒を日常的に嗜む方や機会飲酒があるという方は、少なくないと思います。
お酒やタバコが髪の毛や頭皮に悪影響を及ぼすと言っても、実際にはどのような影響があるのか?
アルコール・喫煙と薄毛の関係性について、医学的事実とともに毛髪専門医が解説します!
髪に対するお酒・タバコの影響
健康な髪の毛が育つ環境には血行が大きく関係しています。
髪の健康を支える2つの要素
①血行・循環をよくする
健康な髪の成長には頭皮の良好な血行が不可欠です。
毛根に張り巡らされた毛細血管を通じて栄養素が運ばれ、同時に老廃物が排出されることで、髪の毛が正常に成長します。
頭皮マッサージや運動で髪のハリやコシが改善されると言われるのは、運動やマッサージによって血行が促進されるためです。
②栄養を豊富に供給する
タンパク質、ビタミン、ミネラルが不足すると、髪の細毛化や成長停滞が起こります。
運ばれる栄養が不足していれば、いくら血行が良好でも髪の健康的な成長は期待できないため、代謝に必要な栄養素を毛根へ豊富に届けることが必要です。
良好な血行と豊富な栄養というのが髪の成長にどちらも不可欠ということです。
では、タバコやお酒は血行にどう関わってくるのでしょうか?
タバコを吸うと髪はどうなる?
■ニコチンによる血管収縮作用
ニコチンは毛細血管を収縮させ、頭皮の血行を著しく悪化させます。
血管が収縮することで血流量が減少してしまうと、毛根への栄養供給が大幅に制限されるため、いくら栄養素がたっぷりあっても届けることができず、間接的に薄毛を引き起こします。
■ビタミンCの大量消費
タバコは美肌や髪の成長に必要なビタミンCを大量に消費します。
体内のニコチンを解毒する過程でビタミンCが大量に使われ、髪の健康維持に必要な栄養素が不足してしまうのです。
飲酒すると髪はどうなる?
■タンパク質の消費メカニズム
少量の摂取であれば問題はありませんが、肝臓でのアルコールの分解過程で髪の成長に必要なタンパク質が、大量消費されてしまうことがわかっています。
本来髪の成長に使われるべき栄養素を奪ってしまうことで、間接的に薄毛を引き起こしてしまうのです。
また、過度の飲酒はテストステロンを増加させ、それがAGAの原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで薄毛が促進されるため、この理論でいくとお酒もAGAの要因の一つであると言えます。
AGAと遺伝の関係性
お酒もタバコも嗜むのに影響のない人・薄毛に悩む人の違いはなぜ生まれるのかについては、遺伝が関係しています。
AGA遺伝子を持つ人は、元々のAGAの進行に加え、生活習慣による悪影響が薄毛進行を大幅に加速させるからです。
遺伝的素因がある場合、お酒・タバコの影響を特に強く受けてしまうのです。
AGA遺伝子を保有していない場合でも、お酒とタバコが髪の成長の妨げになるため、完全な薄毛にはならないものの、血行不良と栄養不足により髪の健康状態は確実に低下することは事実なので、油断は禁物です。
治療効果への影響
大量に飲酒する機会のある方・喫煙者は、AGA治療をしていても、治療薬の効果を生活習慣による悪影響が相殺してしまい、通常3ヶ月で効果が現れる治療に、半年から1年を要するケースが多数ありました。
お仕事がら毎日会食や飲酒をするという方や喫煙者は、完全な禁酒・禁煙は困難でも、段階的な改善から始めることが重要です。
薬物治療と生活習慣を改善することで、相乗効果により治療の成功率が大幅に向上します。
まとめ
薄毛でお悩みの方、AGA治療をやってるけどなかなか効果が出ない方は、もしかしたらお酒やタバコが原因となっているのかもしれません。
急な改善は無理でも、少しずつでも良いので改善できるところから対策をしていただくと、
薄毛は遺伝的な素因との複合的な影響として現れるため、生活習慣を改めてもお悩みが解消しない場合には、専門医へ相談することをお勧めしています。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
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