円形脱毛症の最新治療法|ケナコルト注射とエクソソーム療法で2ヶ月で劇的改善した症例
目次
円形脱毛症の治療は進化している
円形脱毛症の治療は、従来のステロイド注射に再生医療を組み合わせることで、より効果的な結果が期待できます。
単なる症状の抑制だけでなく、毛根を活性化させ、再発しにくい頭皮環境を作ることが重要だからです。
本記事でご紹介する41歳男性の症例では、5cm以上の脱毛部分がわずか2ヶ月でほぼ完全に回復しました。
最新の複合治療アプローチが、円形脱毛症治療の新たなスタンダードとなりつつあります。
円形脱毛症は、ある日突然、硬貨大の脱毛斑ができる自己免疫疾患です。
ストレスが原因と考えられがちですが、実際には免疫系の異常が主な原因とされています。
■円形脱毛症の特徴
突然発症し、本人が気づかないことも多い
再発率が高く、繰り返し発症する可能性がある
治療中断により悪化するケースがある
適切な治療により回復可能
▼円形脱毛症の最新治療についてはこちらのブログで詳しく解説しています
実際の症例:41歳男性ホテルマンのケース
年齢・職業: 41歳、ホテルマン
出身: UAE(アラブ首長国連邦)
来日期間: 約1年未満
円形脱毛症の発症歴
■初回発症(約10年前・2014年)
ステロイド局所注射を3回実施
完全に改善
■2回目の発症(来院1年前)
頭頂部に円形脱毛症が出現
UAEでステロイド注射治療を開始
改善傾向にあったが、来日により治療中断
■3回目の悪化(来院時)
左後頭部の小さな脱毛斑が急拡大
サイズ: 5cm以上
患者様が気づいて慌てて来院
なぜ円形脱毛症に気づきにくいのか
後頭部の円形脱毛症は、本人が発見しにくい場所です。
鏡で確認しづらく、髪の毛が覆い被さることで隠れてしまうからです。
今回の患者様も、5cm以上の大きさになるまで気づかず、偶然発見して驚いて来院されました。
定期的な頭皮チェックが早期発見の鍵となります。
革新的な治療法:ケナコルト+エクソソーム複合療法
治療の選択肢
患者様には以下の2つの治療法を提案しました。
1. 再生医療による根本的アプローチ
頭皮全体へのエクソソーム療法
PRP(多血小板血漿)療法
再発しにくい頭皮環境の構築
2. ケナコルト局所注射(即効性重視)
ステロイド注射による炎症抑制
エクソソームとの複合療法
早期改善を目指す治療
患者様は「一刻も早く改善したい」という希望から、ケナコルト局所注射を選択されました。
ケナコルト+エクソソーム療法の特徴
当院では、従来のケナコルト注射にエクソソームを混合する独自の治療法を採用しています。
ステロイドによる炎症抑制効果と、エクソソームによる毛根活性化・肌質改善効果の相乗効果を得られるからです。
一般的な皮膚科で行われる単独のステロイド注射と比較して、再生医療の要素が加わることで、より健康的な発毛を促進します。
複合療法により、単なる回復ではなく、質の高い発毛が期待できます。
■エクソソームとは?
エクソソームは、細胞から分泌される微小な情報伝達物質です。
再生医療分野で注目されており、以下の効果が期待されています。
毛根細胞の活性化
頭皮環境の改善
炎症の抑制
組織再生の促進
驚異的な治療効果:2ヶ月での劇的回復
■治療スケジュール
■来院当日(1回目の注射)
ケナコルト+エクソソームの局所注射を実施
脱毛部分全体に注入
■1ヶ月後(2回目の注射)
状態: 髪が生え始め、脱毛部分が覆われてきている
サイズも縮小
さらなる改善のため2回目の注射を実施
2ヶ月後(治療完了)
状態: ほぼ完全に回復
脱毛部分がほとんど分からない状態に
頭皮の変化を詳しく解説
初診時の頭皮状態
毛穴だけが残っている部分
白髪として生え始めている部分
黒いポチッとした点(これから生える兆候)
改善傾向ではあったが、完全回復には時間がかかる状態
1ヶ月後の頭皮状態
細い毛が広範囲に生え始める
白髪と黒髪が混在
脱毛部分のサイズが明らかに縮小
2ヶ月後の頭皮状態
太くしっかりとした毛に成長
白髪が黒髪に変化
ほぼ完全な回復
▼薄毛や白髪などの他の症状の症例もこちらでご紹介しております
円形脱毛症から回復する髪はなぜ白髪なのか?
円形脱毛症の回復初期に白髪が生えてくることは、よくある現象です。
毛根の色素細胞(メラノサイト)の回復が、毛髪の成長よりも遅れるためです。
今回の患者様も最初は白髪で生え始めましたが、エクソソームの効果もあり、最終的には黒髪に戻りました。
白髪で生えてきても、適切な治療により黒髪に戻る可能性は十分あります。
白髪のままになる人と黒髪に戻る人の違い
エクソソーム療法の有無: 色素細胞の活性化に効果的
年齢: 若い方が色素細胞の回復力が高い傾向
栄養状態: 適切な栄養摂取が重要
治療の継続性: 途中で中断しないことが大切
■従来の治療法との違い
一般的な皮膚科での治療
ステロイド局所注射のみ
対症療法が中心
再発リスクへの対策が少ない
当院の複合療法アプローチ
再生医療を組み合わせることで、単なる症状改善ではなく、根本的な頭皮環境の改善を目指します。
円形脱毛症は再発率が高いため、再発しにくい土台作りが重要だからです。
ケナコルトで炎症を抑えながら、エクソソームで毛根を活性化することで、より健康的な発毛を実現します。
複合療法により、即効性と持続性の両立が可能になります。
円形脱毛症治療で知っておくべきポイント
■早期発見・早期治療が重要
定期的な頭皮チェック
家族や美容師に確認してもらう
小さいうちに治療開始
■治療を途中で中断しない
治療の中断は、円形脱毛症の悪化や拡大につながります。改善傾向にあっても、完全に治癒するまでには時間がかかるからです。
今回の患者様も、UAEでの治療を中断したことで脱毛部分が拡大しました。
医師の指示に従い、治療を完遂することが完全回復への近道です。
再発予防の重要性
円形脱毛症は再発しやすい疾患です。以下の対策が重要です。
ストレス管理
規則正しい生活習慣
バランスの取れた食事
定期的な頭皮ケア
必要に応じた予防的治療
円形脱毛症治療の費用と期間
治療期間の目安
軽度の円形脱毛症: 1〜3ヶ月
中等度の円形脱毛症: 3〜6ヶ月
重度・多発性の円形脱毛症: 6ヶ月以上
今回の症例は中等度で、2ヶ月という比較的短期間で改善しました。
治療回数
ケナコルト局所注射: 通常1〜3回
注射間隔: 約1ヶ月
症状に応じて回数を調整
こんな方におすすめの治療法
ケナコルト+エクソソーム複合療法が適している方
早期に改善したい方
円形脱毛症が再発している方
以前ステロイド注射で効果があった方
再発予防も重視したい方
質の高い発毛を望む方
治療を受ける前に確認すべきこと
過去の治療歴
アレルギーの有無
現在服用中の薬
生活環境の変化
ストレス状況
まとめ:円形脱毛症は適切な治療で改善できる
円形脱毛症は、最新の複合療法により効果的に治療できる疾患です。
ステロイド注射による炎症抑制とエクソソームによる再生医療の組み合わせが、相乗効果を生むからです。
今回ご紹介した41歳男性の症例では、5cm以上の脱毛部分がわずか2ヶ月でほぼ完全に回復し、白髪も黒髪に戻りました。
早期発見・早期治療、そして治療の継続が、円形脱毛症克服の鍵となります。
円形脱毛症でお悩みの方へ
一人で悩まず、専門医に相談しましょう
小さな脱毛斑でも早めの受診が重要です
治療法は複数あり、状態に応じて選択できます
再発予防のための頭皮ケアも大切です
円形脱毛症は決して珍しい疾患ではなく、適切な治療により改善が期待できます。気になる症状がある方は、早めに毛髪専門医や皮膚科医にご相談ください。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
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