目次
円形脱毛症は、後頭部や襟足など普段見えない場所にできることも多く、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
前髪や側頭部など目立つ場所にできてしまうと、ご本人の精神的な負担は計り知れないものになります。
「これくらいなら自然に治るだろう」と安易に考えず、初期段階で適切な対処を始めることが、回復への近道となります。
円形脱毛症の軽視は危険
円形脱毛症というと、「円形脱毛症はストレスが原因」と漠然と捉えている方が多いかと思います。
ストレスが引き金になるケースもありますが、実際には自己免疫性疾患という、体が誤って自身の体を攻撃し症状が出てしまうもので、この病気が頭皮に起こると円形脱毛症を発症します。
そのため、特に思い当たる原因がない方でも突然発症してしまうことがあり、「予防」はなかなか難しいのが現状です。
特に危険なのは、症状を軽視して放置してしまうことです。
通常であれば自然と治っていくものですが、中には重症化してしまうケースもあるため、軽視していると、小さな円形脱毛症が急速に広がったり、数が増えたりして、気付いたときには治療が難しくなるケースもあります。
万が一発症してしまった場合は、重症化を防ぐため、初期段階での早期の対策、そして早期治療で迅速に症状を改善させる必要があります。
症状に応じて異なる対策
円形脱毛症は、その症状の大きさや進行度によって、取るべき対策が異なります。
■様子見で良いケース(軽症)
サイズが小さいもの
いわゆる10円玉サイズ、またはそれより小さい米粒大くらいの程度の軽いものであれば、自然治癒する可能性も高いため、少し様子を見ていただくのも一つの選択肢です。
■すぐに受診が必要なケース(要注意〜重症)
・500円玉かそれ以上に範囲が拡大
・3ヶ月様子を見ていても改善しない
・過去に円形脱毛症になったことがある(再発)
・抜け毛の範囲が急速に広がっている
・小さくても多発している(いくつもできている)
・髪の毛以外にも全身の毛が抜け落ちる汎発型
特に、過去に円形脱毛症の経験がある方、ごっそり抜け落ちるような大きな円形脱毛症を経験した方、薄くなっている範囲が急激に拡大している・小さい脱毛箇所が多発している方は、緊急性が高いと考えられます。
こういった場合、発見したらすぐ、もしくは2週間以内の受診をおすすめしていますので、ご自身の頭皮を一度チェックしてみることをおすすめします。
多くの方が、円形脱毛症を人から指摘されて初めて気付くなど、ご自身では気付いていないケースも少なくありません。
自己判断が難しい場合、不安を感じた場合は、ご自身で判断せずにクリニックにご相談ください。
頭皮ケアの重要性
円形脱毛症を完全に防ぐことは難しいのですが、治りやすい頭皮の状態を保っておくことが、予防と早期回復の鍵になります。
円形脱毛症の予防は非常に難しいというお話を致しましたが、「なってしまった後、いかに早く治すか」「再発しにくい状態にするか」という点において、土台となる頭皮の状態を良くしておくことは非常に重要で、医学的な治療を行う際も、頭皮の状態が良いと治療効果が高まる傾向があります。
日頃の頭皮ケアとして、以下のようなことに心がけてください。
シャンプー:頭皮に負担をかけないシャンプー選び、適切な湯温(38℃程度)での洗髪
保湿:美容液などで頭皮をしっかり保湿する。
日焼け対策:頭皮の日焼けを防ぐ。
遺伝的に発症しやすいという方もいらっしゃいますが、アトピーやアレルギー体質の方、または普段から頭皮に何らかのトラブルを抱えている方は、円形脱毛症が出やすい傾向があると感じています。
日頃から頭皮という「土台」を健康な状態に保つことで、治療の効果がすぐに出やすくなり、結果的に「予防」に近い効果をもたらすことになります。
頭皮が青白く、透明感がある綺麗な頭皮をしている方は、髪や頭皮のトラブルをほぼ感じない状態です。
もともと肌質が悪いからと諦めている方がいるかもしれませんが、ケア次第でいくらでも良くしていくことができます。
頭皮ケアやお悩みに関する情報をYouTubeやコラムで発信しておりますので、是非チェックして諦めず頭皮ケアを続けてみてください。
▼頭皮ケアや正しいシャンプーについては、過去の記事や動画で詳しく解説しています
頭皮が健やかな状態であればあるほど、治療の効果が出やすくなるとお伝えしましたが、
実際、当院の症例でも頭皮の状態が良い患者様は、治療の効果が早く現れる傾向にあります。
逆に、頭皮が荒れて状態が良くない方、例えば普段から白髪染め、ブリーチ、過度なカラーリングを繰り返している方、シャンプーや保湿などのケアを怠っている方は、治療の治りが遅くなる、または回復までに時間がかかる傾向があります。日々の正しいケアで、理想的な頭皮を維持しましょう。
最新の円形脱毛症治療
円形脱毛症の治療は、自己免疫性疾患であるため、主にステロイドや免疫抑制剤など、免疫をコントロールする治療が基本となりますが、近年治療は進化し、重症の患者様の回復が見込める「分子標的薬」と呼ばれる新しいタイプのお薬が承認され、治療に使用されるようになりました。
■ジャック阻害薬(JAK阻害剤)
ジャック阻害薬は、約3年前に承認され、従来の免疫抑制治療ではなかなか改善しなかったケースにも、このジャック阻害剤を組み合わせることで、改善する割合が約2倍に増えたというデータも出ています。
これは、再発で長期間お悩みの方、重症化し広範囲に脱毛のある方、全身の毛が抜け落ちる・脱毛が全頭に及ぶほど重症な状態の方にとっても、回復を目指せる大きな希望となり得る最新の治療法です。
「何をやっても治らなかった…」と諦めていた方も、ぜひ一度専門医にご相談ください。
Dr.TOUHI CLINICで行う治療
当Dr.TOUHI CLINICでは、一般的な皮膚科とは異なるアプローチとして、再生医療を用いた頭皮への注射治療を行っています。
この治療は、単に免疫を抑えて今の症状をとるというよりも、土台となる頭皮の状態を回復させ、症状を根本から改善させるとともに、再発しにくい健やかな肌質づくりを目指すことを目的としています。
そのため、現在通院中の皮膚科で免疫を抑える治療を行いながら、当クリニックの治療を並行して行う方も多くいらっしゃいますし、もちろん当院での治療だけで改善したケースも多数ございます。
多くの症例をみてきた経験から、「ほとんどの円形脱毛症は治せる」と考えています。
お一人で悩まず、円形脱毛症でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
患者様一人ひとりに合わせた最適な治療法をご提案します。
まとめ
今回は円形脱毛症の予防から、受診の目安、そして最新の治療法についてお話ししました。
円形脱毛症は、重症であればあるほど早期の対応が何より重要です。
「まだ小さいから…」と様子を見るよりも、気になった時点で一度診察を受けていただくことを強くおすすめします。
円形脱毛症は治らないものと諦めず、まずはご自身の症状を正しく把握し、適切なタイミングで専門医にご相談いただくことが大切です。
当クリニックでは無料カウンセリングも行っていますので、気になる症状や不安があれば、お気軽にご相談ください。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
YouTubeチャンネル
わたしたちはYoutubeを通して、医学的エビデンスに基づいた髪・頭皮に対する正しい情報を発進しています。
頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。






