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東大卒医師が語るミノキシジルの「危険性」

東大卒医師が語るミノキシジルの「危険性」

目次

    今回は、「ミノキシジル」について解説します。

    ミノキシジルの作用

    ミノキシジルはAGAの治療薬です。
    はじめに、AGAというのは男性型脱毛症のことで、男性の薄毛の原因はほどんどAGAと言われています。
    最近はAGAに関する関心がかなり高まってきているようで、有効な治療法がいくつかあることは、よく知られてきています。

    今回は、飲み薬・塗り薬・注射薬 それぞれに使用されているミノキシジルの薬について詳しく解説していきたいと思います。

    ミノキシジルは元々、高血圧の薬として開発された薬です。ミノキシジルを内服した患者に副作用として体中の毛が増えてしまう『多毛症』の症状が見られたことから毛を増やす効果があるのではないかと言われ始め、ミノキシジルをAGAの薬として開発し始めたのが経緯です。
    実際にどういう作用機序かと言うのは、まだ分かっていない部分もありますが、イメージしやすいところで、血圧を下げる薬なので血管を拡張させる作用があるため、頭皮の血流や全身の血流が改善し、髪に関しては頭皮の血流が促進されて毛髪の成長に必要な成分が毛根に届きやすくなると言われています。
    それ以外にも、毛根の細胞に直接働きかけて成長因子(髪の成長に必要なもの)を毛根に誘導する作用や、毛周期を整え、髪の成長期を伸ばす作用があるとも言われています。

    ミノキシジル・外用薬の推奨度

    塗り薬に関しては、AGAの治療ガイドライン2017年版で推奨度の最も高いAランク、使用すべきだというランクに位置づけられています。
    また、ミノキシジルの外用薬については、システマティック・レビューと言う最もエビデンスレベルの高い解析が行われており、AGA男性924人を対象に調べたところ、『ミノキシジルの外用薬を使った群』が『偽物の薬のプラセボ群』に比べて、面積当たりの増毛数が平均で約21本増えたと言う結果が出ています。
    なので、効果は間違いないと言えます。

    ミノキシジルの外用薬は医薬品になりますが、医薬品と言っても、OTC医薬品と言う薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できるタイプの医薬品に分類されています。
    クリニックを受診するのは少しまだ抵抗がある方は、まずは薬局で購入できるミノキシジルの外用薬から試してみても良いかなと思います。
    ただし、効果は少し限定的かもしれません。
    今までミノキシジルの外用薬、薬局で買えるものを使っていたけど、あまり効果が分からなかったと言う声もちらほら聞こえてくるので、1回試してみてダメであれば、クリニックを早めに受診したほうが良いかもしれません。

    ミノキシジル・内服薬

    ミノキシジルは外用薬が1番推奨度が高いのですが、内服薬も存在しています。
    AGA治療の第1選択薬は「フィナステリド」と「デュタステリド」ですので、あくまでフィナステリドとデュタステリドの効果が不十分な場合にミノキシジルを追加で処方するという位置付けになっています。
    フィナステリドとデュタステリドには『抜け毛を抑制する効果』がありますが、ミノキシジルには『発毛を促進する効果』がありますので、ミノキシジルの方がよりアグレッシブな治療になります。
    余程、フィナステリドとデュタステリドで副作用が出てしまって続けられないという方でない限りはミノキシジルだけを飲むと言うパターンはないと思ってください。

    ミノキシジル・内服薬の推奨度

    AGAの治療ガイドライン2017年版では、ミノキシジルの外用薬とは違い、内服薬の推奨度はDランク、行うべきではないと言う位置づけです。
    実際、ミノキシジルの内服薬は効果が高いことは知られていることではあるのですが、国内・国外を含めて臨床試験がまだ十分に行われていないのです。
    そのため、データや数字として効果と安全性が実証できていないとい段階です。
    そう言った背景から、日本を含めどの国でも今はAGAの治療薬としてミノキシジルの内服薬は承認されていません。
    なので、ミノキシジルの内服薬は、クリニックによっては扱っていない場所もあります。
    ただ、実際にミノキシジルを処方している方で進行度が強い方にはしっかりと発毛効果が得られているようです。

    ミノキシジルの副作用

    ミノキシジルは元々血圧の薬なので、服用すると血圧の低下・動悸・息切れ・立ち眩み・眩暈などの症状が稀にあります。また、髪は増えるのですが、首から下の毛根にも作用するため、全身の毛が濃くなってしまうこともあります。
    塗り薬については、少し頭皮で炎症を起こしたり、かゆみが出てしまうこともあります。
    挙げるとしたら以上のことになります。

    初期脱毛とは

    ミノキシジルは『初期脱毛』と言うのが知られています。
    内服し始めてから約2週間~1か月経過後に抜け毛が一気に増える現象です。治療を始めたばかりなのに、むしろ抜け毛が増えるなんてビックリしてしまいますよね。
    しかし、これはヘアサイクルを正常に整えていく過程で元々抜けるはずだった毛が一気に抜け落ちてしまっているだけなので、初期脱毛が終わった後はしっかり毛が生えてきます。
    薬が効いている証拠だと思って、ビックリして怖がらずに内服を続けてみてください。

    ミノキシジルのメソセラピー

    ミノキシジルには頭皮に直接ミノキシジルを投与する治療法があります。
    『メソセラピー』と言われる治療法で頭皮に直接有効成分を投与します。
    ミノキシジルの投与方法はいくつか種類があり、医師が注射器で直接頭皮に注射する方法、メソセラピーの専用機器を頭皮にあてながら注射する方法、針を使用せずに超音波やレーザーで薬を吹き込んでいく方法などがあります。
    ただ、やはり医師が直接注射器で注入する方が毛根まで確実に届くため、効果としては1番高いかと思います。
    この注射に関しては、AGAの治療ガイドラインには記載すらされていない治療法ですので、飲み薬などと一緒に注射で治療する方が効果は高い印象です。

    まとめ

    ミノキシジルは発毛を促進するAGA治療薬
    国内未承認だが内服薬の効果は高い

    記事監修者

    勇 亜衣子
    一般社団法人Next Beauty Labo 代表理事
    Dr.TOUHI CLINIC 総括院長

    勇 亜衣子

    いさみ あいこ
    【経歴】

    東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
    脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院

    Dr.TOUHI YouTubeチャンネル

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    頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。