産後の抜け毛は急性休止期脱毛症が原因!治療法を徹底解説
目次
産後の抜け毛は急性休止期脱毛症が原因!治療法を徹底解説
今回は産後の抜け毛についてお話ししていきたいと思います。
産後の抜け毛が起こる原因
産後の抜け毛は急性休止期脱毛症の一つだという風に考えられています。
これはどんな病気かというと大手術・高熱・感染症・急激な体重の減少・精神的なストレスなど何かしかの強いストレスがかかってからてだいたいその2~4ヶ月後ぐらいに頭部全体でびまん性に多量の脱毛が生じてしまう状態のことを言います。
最近ではコロナの感染後の抜け毛が増えていると思いますがこちらも急性休止期脱毛症が原因だという風に考えられています。
毛の生え変わりは毛周期(ヘアサイクル)を繰り返されて起こっています。
成長期、退行期、休止期というのがあって休止期が終わると毛が抜け落ちて、また新たな毛が作られて成長期に入るというようなサイクルを繰り返し生え変わっています。
休止期脱毛症になってしまうとストレスイベントをきっかけにして成長期にある毛髪が一気に休止期に移行してしまいます。休止期が終わったところで一斉に毛が抜け落ちてしまうというような状態になります。
以上が休止期脱毛症の病態です。
産後の抜け毛について
このヘアサイクルの休止期への移行っていうのが女性ホルモンであるエストロゲンが関係していると考えられています。
妊娠するとエストロゲンが高い状態が維持されることになります。その為、エストロゲンの作用によって妊娠中はヘアサイクルの成長期が延長された状態になっているため、妊娠中は逆に毛が抜けにくくなったりとか毛量が増えたりします。
しかし一方で出産後はエストロゲンの数値が急激に下がってしまい、妊娠前の状態に戻るためそれをきっかけに延長されていた成長期が終わり、休止期に移行するというメカニズムになります。
一気に休止期が終わり、一気に抜け毛になってしまうため、髪に指を通したり、ブラシで溶かしただけでごっそり抜けてしまって本当にびっくりすると思います。
このまま抜けが続いたらどうしようって不安になると思うのですが休止期脱毛症は一時的な症状であり、通常は半年から1年で抜け毛が落ち着いていきます。
その為、治療する必要は基本的にありません。
産後の抜け毛が気になるあなたへ
抜け毛が一時的に増えることで、すごく不安になってしまう気持ちはわかりますが、抜け毛を気にしすぎると逆にストレスの要因になって余計に回復が長引いてしまう可能性もあるので半年くらいはちょっと待ってみていただければと思います。
またそれ以外にできる対策としてはミノキシジルの外用薬や内服薬が休止期脱毛症の治療薬として効果があるという報告もちらほら散見はされていますので、どうしても不安な方は1回皮膚科や薄毛専門のクリニックに相談に行かれてもいいかもしれません。
産後の抜け毛への対策
ミノキシジルは男性型脱毛症のAGAや女性の男性型脱毛症(FAGA)で用いられるような発毛の効果の高いお薬です。
これを急性休止期脱毛症の産後の抜け毛でお使いいただくのはもちろんいいのですがただ血圧低下やむくみや髪の毛以外の顔とか体毛も濃くなってしまうような副作用も知られていますのでご使用を検討する場合にはぜひ主治医の先生と相談していただければと思いますね
あと最後にちょっと嫌な話なんですが、産後の抜け毛をきっかけにしてFAGAが進行してしまう可能性もあるため、もし産後の抜け毛が半年、1年以上長引いているという方がいらっしゃれば注意が必要です。
FAGAに関しては治療しないと進行してしまう病気なのでその場合にはぜひクリニックにご相談いただければと思います。
まとめ
産後の抜け毛は出産前後の女性ホルモンの変化で起こる急性休止期脱毛症です。
半年~1年で自然に回復してきますのでストレスを溜めすぎないようにしながら改善を待ちましょう。
記事監修者
Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI YouTubeチャンネル
わたしたちはYoutubeを通して、医学的エビデンスに基づいた髪・頭皮に対する正しい情報を発進しています。
頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。