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AGA治療薬でがんになる!?  ~ウワサの驚くべき真相~

AGA
2023.07.04
AGA治療薬でがんになる!?  ~ウワサの驚くべき真相~

目次

    AGA治療薬でがんになる!?  ~ウワサの驚くべき真相~

    今回はAGA治療薬でがんになる!?について解説していきたいと思います。

    結構怖いタイトルですが、このテーマは何度か実際に患者様からご質問ありましたので、動画でも取り上げることにしました。

    AGA治療で副作用とか初期脱毛というのは良く耳にしますが、がんになるという噂は本当であればかなり危険な治療薬ということになります。

    今回はガンとAGA治療薬の関係性について詳しく解説させていただきます。

    AGA治療薬「フィナステリド」 「デュタステリド」とは

    がんになりやすいのでは?と噂されているのは、AGA治療薬の中でも「ミノキシジル」ではなく「フィナステリド」 「デュタステリド」というお薬になります。

    AGA男性型脱毛症の基本的な治療薬である「フィナステリド」 「デュタステリド」ですが、ともに「5α-還元酵素阻害剤」に分類されるお薬です。

    この「5α-還元酵素阻害剤」ですが、もとは「前立腺肥大症」の治療薬として開発され、副作用として抜け毛抑制効果があるということが知られるようになりAGA治療にも処方されるようになったという経緯があります。

    AGA治療には日本皮膚科学会が作成・改訂をしている信頼性の高い診療ガイドラインというものがあります。

    「フィナステリド」 「デュタステリド」は、このガイドラインで内服薬として最も推奨度が高いAランクに位置付けられています。

    作用としては一言で言うと男性ホルモンのバランスを整え、抜け毛を予防する働きがあります。

    AGA治療でがんになると噂されている理由

    AGA治療について調べていると、検索にがんになるなどというワードが出てくるためがんになるのでは?と噂されていますが、結論から言ってしまうとがんになるわけではありません。

    ではなぜ、がんになると噂されているのか?その理由ですが、前立腺がんを早期発見するために最も有用だと言われている「PSA検査」の数値に影響を与えてしまうというのが正確な内容になります。

    「PSA検査」は血液検査で前立腺がんや前立腺肥大症が疑わしいかどうかを調べるスクリーニング検査です。

    PSAの正常値は4ng/mlとされており、その数値より高い場合、前立腺がんの疑いがあるとされています。

    「5α-還元酵素阻害剤」である「フィナステリド」 「デュタステリド」には男性ホルモンの働きを抑制する作用があるので、前立腺から分泌される物質を合成する機能も抑えてしまい、この「PSA」も前立腺から分泌される物質になるので、生産も減少させてしまい血液中の「PSA」の量を減らす作用があります。

    つまり「フィナステリド」 「デュタステリド」のお薬を飲んだ状態で血液検査を受けると、前立腺がんの疑いがある方の「PSA値」がお薬の作用により、本来出るはずの高い数値ではなく実際よりも低く出てしまい、前立腺がんの発見が結果的に遅れてしまう可能性があるからです。

    AGA治療におけるがん検診時の注意点

    もう少し具体的にお話しをすると、「フィナステリド」 「デュタステリド」の内服を1年以上続けている場合、「PSA値」を約50%低下させることがわかっています。

    このことから、これらの薬を内服している状態で前立腺がん診断の目的で検査・検診を受ける時の注意点として検査結果をそのまま見るのではなく、2倍して評価する必要があるということが言われております。

    その為、必ずご自身でがん検診受ける際は「フィナステリド」 「デュタステリド」の類を内服しているということを申告していただく必要があります。

    内服して1年以上経つ場合、先ほど述べたように「PSA値」が約50%低下することが分かっていますが1年経っていない場合の数値については、まだはっきりわかっておらず、個人差もあります。

    内服の継続が1年未満の場合でも、検診を判定する医師の判断材料にはなりますので必ず申告していただくことが重要になります。

    PSAの正常値は4ng/ml以下とお話ししましたが、前立腺がんに罹患した場合のPSA値は、ちょっとした数値の違いではなく正常値の何十倍、何百倍まで跳ね上がり、明らかな異常がみられます。

    「フィナステリド」 「デュタステリド」を内服した状態で正常範囲内であれば、「PSA値」をたとえ2倍にしても正常範囲内に収まるか少しオーバーする程度になります。いずれにしてもあまり敏感になる必要はないです。

    まとめ

    AGA治療薬でがんになると噂されている理由は、前立腺がんを早期発見するための「PSA検査」数値に影響を与えてしまうから。

    「フィナステリド」 「デュタステリド」は前立腺がんの発見検査項目である「PSA」の値を半減させます。

    がん検診の際には誤診を防ぐためにも、必ず内服薬の種類と服用期間を伝えるようにしましょう。

    記事監修者

    勇 亜衣子
    一般社団法人Next Beauty Labo 代表理事
    Dr. TOUHIクリニック 総括院長

    勇 亜衣子

    いさみ あいこ
    【経歴】

    東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
    脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr. TOUHI AGAクリニック」「Dr. TOUHI ヘアメディカルサロン」開院

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