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【AGA】ミノキシジルの発毛スイッチの発見!?【薄毛】

【AGA】ミノキシジルの発毛スイッチの発見!?【薄毛】

目次

    AGAの治療薬として有名なミノキシジルですが、実はなぜ発毛効果があるか解明されておりません。
    そんな中、大正製薬株式会社さんから面白い記事が発表されました。
    2025年4月時点では学会発表段階で、まだ論文になっているというものではありませんが、ミノキシジルの発毛のメカニズムについて、世界初の発見があったという研究結果が報告されました。

    そこで今回は、大正製薬株式会社さんの研究を解説するとともに、何故ミノキシジルは発毛に効果があるのかについてご説明させていただきます。

    ミノキシジルが使われ始めた経緯

    ミノキシジルはそもそも、高血圧を患う患者様が血圧を下げるために使用するお薬として開発・活用されていましたが、副作用として体毛・髪の毛が増えるという症状が出たため、これは発毛治療に使えるのでは?ということで、今は高血圧の治療ではなく、発毛治療薬として使われるようになりました。

    ▼ミノキシジルについて詳しくお知りになりたい方はこちらをご覧ください
     

    ミノキシジルの発毛メカニズム

    ミノキシジルは発毛効果の高いお薬であることから、AGA治療の塗り薬や飲み薬などで広く使われているお薬です。
    しかし、今の技術をもってしても実際にこの成分がどのように作用し発毛効果を発揮するのか理由が分かっていません。
    細胞レベルの実験など、世界中で研究が行われておりますが、はっきりとこれが作用機序ですと結論付けている論文は今のところございません。

    もともと高血圧を抑えるための薬の副作用から生まれたという経緯のあるミノキシジルに限らず、他の医薬品も実際に何故効果を発揮するのかが分かっていないけれども、効果があるため使われているものはたくさんあります。

    今回の研究結果の解説

    今回の研究は、質量分析計を使用し、ミノキシジルがどういう機序で発毛効果を発揮しているのかを研究したものとなります。
    質量分析計とは、ノーベル化学賞を受賞した技術を応用した装置で、今回はこちらを使用した研究結果が報告されていました。

    ■研究方法
     
    具体的にどのような内容であったのかと言いますと、髪の毛の中にはタンパク質などといった、たくさんの成分が入っていますが、ミノキシジルの外用薬を使用している方の髪の毛を実際にサンプリングして質量分析計にかけ、ミノキシジルを使用する前と後でどのような変化があるのかを調べるという研究です。

    質量分析計は、少量のサンプルからでも、その物質に何の成分がどのくらい含まれているかという情報が出るとても優秀な装置です。
    毛髪を解析した結果、ミノキシジルを使用する前と後では、BMP7というたんぱく質が優位に増えていたという結果がでました。


    つまり、ミノキシジルを使用したことでBMP7というたんぱく質が髪の毛の中で優位に増えているということは、ミノキシジルの作用がBMP7というタンパク質の量を増やしているのではないかということが分かったということです。
    これが何を意味するかと言いますと、ミノキシジルの作用により、毛髪に反応が起こり、最終的に発毛するその反応のひとつに、このBMP7が絡んでいるのではないかというところまでわかったということになります。

    新たな発毛の可能性

    ミノキシジルは殆どの方に効果がある治療であると言われておりますが、それでも中には治療効果を感じにくいという方がいらっしゃいます。

    大正製薬株式会社さんの研究結果を踏まえ、治療効果の出やすい方と出にくい方の毛髪や血液を比べてみると、BMP7タンパク質の量に変化や違いがあるのではないかと推測され、それが解明されれば毛髪中のBMP7タンパク質の量により効果が出やすい人なのか、出にくい人なのかという指標になる可能性があると考えられます。

    今後、臨床研究などで、毛髪中のBMP7の量を調べて基準値のようなものができてくると、その基準値内に収まっているのか、基準値を外れているのかで治療を受ける患者様がミノキシジルの効果を得やすいのかどうか、治療の効果を図る検査として、この方法を採用しても良いと思います。

    治療に関して言うと、ミノキシジルだけで効果が出ない方にBMP7を追加することで効果が出るのだとしたら、治療の幅が広がると思います。
    さらに、BMP7タンパク質が発毛効果を発揮するのであれば、ミノキシジルではなくBMP7を髪の毛に補ってあげることでも発毛効果がえられるのかどうかというのも是非調べていただきたいですし、研究してみたいと思います。

    まとめ

    人間の体はまだまだ解明されていないことばかりですが、薬を使用したことで何かが増えて作用したことで変化が起こる、この結果をどういうことに応用できるか?
    もしも反応があるのであれば、それを増やすような何かがあればよいのでは?と考えていくと、治療の選択肢も広がっていくのではないかなと思いました。

    クリニックでの患者様症例を踏まえ、今後も研究に邁進してまいります。

    記事監修者

    勇 亜衣子
    一般社団法人Next Beauty Labo 代表理事
    Dr.TOUHI CLINIC 総括院長

    勇 亜衣子

    いさみ あいこ
    【経歴】

    東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
    脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院

    Dr.TOUHI
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    頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。