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再生医療とひとことで言っても、治療方法は様々です。
今回は、2025年最新の再生医療について、治療方法から費用や持続期間なども交えながら詳しくご説明いたします。
再生医療とは?
毛髪治療における再生医療とは、従来の薬物療法と異なり、自分自身の細胞や血液成分を利用することから身体に負担が少ないことが特徴で、単なる髪の毛のケアではなく、細胞レベルでの本格的な治療法です。
体の自然治癒力や細胞の力を活用して、失われた組織や機能を回復させる先進的アプローチで自然な発毛促進が期待できます。
S-DSC療法
■S-DSC療法の特長
•効果発現期間: 6〜9ヶ月
•効果持続期間: 約24ヶ月(2年)
•治療費用: 1回80〜120万円(推奨3回で合計約150万円)
•ダウンタイム: 約1週間
S-DSC療法とは、自分の毛根細胞を培養・移植して発毛を促進する再生医療です。
後頭部から採取した毛根の細胞を体外で培養し、薄毛部分に直接注入することで毛乳頭細胞を活性化させ、毛周期を正常化する治療法です。
臨床研究では9ヶ月後に髪の密度が約20%増加、30%以上の改善率を示しています。
数字だけをみると、少なく感じる方もいらっしゃると思いますが、この数字は新しい治療法の中では良い数値と言えます。
あとは毛髪の太さにも改善がみられ、直径15~20㎛増加したというデータも出ています。
効果が発現する期間や効果を維持できる持続期間についても良い結果が出ています。
治療費用については1回80〜120万円ほどで、上記のような効果を得るために推奨されている施術回数は3回です。
ダウンタイムは約1週間と言われており、植毛などに比べても長くはないでしょう。
G-Cell治療
■G-Cell治療の特長
•効果発現期間: 約3ヶ月
•効果持続期間: 約18ヶ月(1年半)
•治療費用: 1回約88万円〜(推奨3回で合計約250万円)
•ダウンタイム: 3日間
G-Cell治療とは、患者さんから採取した細胞を特定細胞加工物と呼ばれる処理を施し、その自己の細胞を薄毛部分に移植することで、自然な発毛を促進する革新的な治療法です。
施術後3ヶ月目あたりから発毛実感が得られるのではないかと言われており、臨床研究では単位面積(1mm×1mm)あたりの髪の毛が1.8本増加したという効果が報告されています。
この数字は頭皮全体から考えると、相当効果があると思われます。
効果を維持できる持続期間についてもこちらも比較的長く、18ヶ月ほどであると言われています。
治療費用については1回約88万円~となっており、上記のような効果を得るために推奨されている施術回数はこちらも3回で、S-DSC療法と同じくらいの費用感です。
ダウンタイムは約3日間と言われており、少し短めです。
PRP療法
■PRP療法の特長
•効果発現期間: 4〜6ヶ月
•効果持続期間: 約6ヶ月
•治療費用: 1回20〜30万円(推奨6回以上)
•ダウンタイム: 2日間(実際には当日〜翌日程度)
PRP療法は、患者様から採取した自己血液を遠心分離にかけ、成長因子の濃度が約5倍の多血小板血漿を頭皮に注入することで発毛を促進する治療法です。
ミノキシジルの内服治療と比較して、髪の太さの改善率が1.7倍高いという研究結果があります。
効果が発現する期間や効果を維持できる持続期間については、発現するまでの期間が4~6ヶ月と長めなことから、効果を得るために推奨されている施術回数は6回以上と、継続して治療を行う必要があります。
持続期間については、約6ヶ月と言われており、S-DSC療法やG-Cell治療と比べてしまうと短く感じますが、治療費用については1回約20~30万円となっているため、1回あたりの費用は比較的安いイメージです。
ダウンタイムは2日間と言われておりますが、治療をしている肌感覚から申しますと、施術当日か翌日ぐらいには目立たなくなる方が多いですので、数日以内にはいつも通りの生活を送っていただけるはずです。
ACRS療法
■ACRS療法の特長
•効果発現期間: 約3ヶ月
•効果持続期間: 約12ヶ月(1年)
•治療費用: 1回10〜20万円(推奨3〜6回)
•ダウンタイム: 1日
ACRS療法はPRP療法を強化発展させた次世代型再生医療です。
PRPの5〜15倍に濃縮された高濃度サイトカインが慢性的な炎症を抑制し、毛根の再生を促進するため、従来のPRPと比較しても効果持続期間が約1.5倍長いうえに、効果発現も早く、早期に効果を実感できるという点があります。
効果が発現するまでの期間は約3ヶ月で治療の推奨回数は3~6回とのことなので、効果の持続期間も12ヶ月と、PRP療法と比べとても効果は早く・長く持続するようです。
費用は1回あたり10万円~20万円くらいの費用感なので、今治療を提供しているクリニックの相場で言うと、PRPよりも比較的安く価格が抑えられているということです。
ただ、新しい治療法なので2025年5月現在、この治療を受けられるクリニックはかなり限られていますが、普及さえすれば再生医療の中では比較的費用を抑えられる治療法だと思います。
ダウンタイムも1日と、ほとんどダウンタイムを感じることなく通常の生活がおくれるはずです。
幹細胞再生医療
■幹細胞再生医療の特長
•効果発現期間: 約3ヶ月
•効果持続期間: 12〜24ヶ月(1〜2年)
•治療費用: 1回約50万円前後(推奨6回で合計約300万円)
•ダウンタイム: 3日間
幹細胞再生医療は培養上清液を活用した長期効果が期待できる高度治療です。
脂肪由来の幹細胞から抽出した成長因子豊富な培養上清液を注入し、休止期に入った毛包を髪が抜け落ちる前の状態に再活性化させる治療法で、68%という高い成功率・効果の持続期間も1〜2年と長期にわたります。
効果が出始める期間については、およそ3ヶ月と言われており、推奨治療回数が3回、ダウンタイムは3日間、効果の持続期間には少し幅があり、12~24ヶ月持続すると言われています。
まとめ
再生医療は薬物療法とは異なり、根本的な発毛メカニズムに働きかけるため、より自然で持続的な効果が期待できる治療です。
1回あたりの費用感だけを比べても、10万円台~80万円くらいと幅があることがわかりましたが、再生医療にはやはり研究に時間やお金がかかること、生きた細胞を扱うことから管理や設備に費用が掛かるため、現時点でこの費用感は妥当だと言えます。
新しい治療ですので、1回あたりの費用は高くなりますが、今後普及することで価格が抑えられる可能性はもちろんあります。
とはいえ、高額であってもS-DSC療法の効果は2年続くため、再生医療は高額であっても効果が継続する期間を加味し、長期的な視点で考えると価値ある投資だと言えます。
今回ご紹介した治療法のどの治療法が絶対的に優れているとは言い切れませんが、個人の症状や予算に合わせた選択が重要です。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
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