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ミノキシジルより効果が高い!?最新薄毛治療を毛髪専門医が徹底解説します

ミノキシジルより効果が高い!?最新薄毛治療を毛髪専門医が徹底解説します

目次

    2023年現在、日本でもアメリカでもAGAの治療として認められているのは、5α-還元酵素阻害剤に分類されるフィナステリドまたはデュタステリド、そしてミノキシジルの外用薬のみです。

    薄毛の治療は需要の高さも相まって今世界中で研究が行われ、新たにこの治療法は有効なのではないかと言われるものがちらほら見受けられます。
    そこで今回は、AGA治療として期待が高まっている最新の治療法にどのようなものがあるのか、アップデートできるような情報をお伝えしていきたいと思います。

    最新の外用薬

    1番ハードルが低く始めやすいAGA治療はミノキシジルの外用薬です。
    最新の外用薬をご紹介していきます。

    ■フィナステリドの外用薬
    近年は飲み薬にも使われるフィナステリドの外用薬も注目されています。
    1990年代には既にフィナステリドの外用薬としての有効性が確認されていましたが、実際の診療で使われるようになったのはつい最近のことで、0.25%くらいの濃度で処方されています。

    女性の場合はフィナステリドの外用薬単体だとあまり効果がなく、ミノキシジルの外用薬と併用することで効果があるということも分かってきています。
    女性に関してはフィナステリド・デュタステリドが基本的には使えなくなってくるのですが、外用薬使えるということは選択肢が増えるという点でいいところかと思います。

    ■ラタノプロスト外用薬
    ラタノプロストというお薬の外用薬も有効なのではないかと言われています。
    グラッシュビスタやルミガンというまつげの発毛や美容に使われる薬をご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
    このラタノプロストというのはその仲間で、元々は緑内障の治療薬でしたが、副作用としてまつ毛が異常に伸びる・太くなることが確認され、その副作用をうまく利用しまつ毛の発毛用として転用されたものが頭髪にも活用できないかと研究が進んでいるのです。

    確認されている効果としては、髪の毛の休止期を延長させる効果があり、実際にラタノプロストを使用することで毛髪密度の増加が確認されたということです。
    現段階では小規模な臨床研究の結果のみで、実用化するにはまだまだ研究データが必要です。

    ホルモン系の外用薬もご紹介します。

    ■クラスコテロン
    クラスコテロンというニキビの治療にとても有効性が認められたお薬があります。
    このお薬は比較的新しいお薬で、男性ホルモンのアンドロゲンを抑制する作用があるためAGAにも有効なのではないかと考えられています。
    ミノキシジルの外用薬よりも発毛効果が高かったという研究結果、あとは副作用が比較的軽い忍容性の高いお薬であることも分かっていますので、日本でも認可されれば比較的使いやすいお薬かもしれません。

    副作用から偶然に生まれるお薬が多い印象がありますが、たくさんの方に求められてこのような研究が進むことはとても楽しみです。

    最新の内服薬

    現時点で1番発毛効果が高いとされているのは、AGAの治療として認められているフィナステリドまたはデュタステリドの内服薬です。
    冒頭でも申し上げました通り5α-還元酵素阻害剤に分類されるお薬です。
    あとはミノキシジルの内服薬もあり、これらは既に効果が明らかに認められている治療薬で、注射で投与する方法も有効であると分かってきたようです。

    ■JAK阻害剤(ジャック阻害剤)
    AGAに効果があるのでは?と研究が行われているJAK阻害剤(ジャック阻害剤)と呼ばれるお薬があります。
    円形脱毛症の治療薬として注目されていますが、AGAに関しては2023年現在まだ有効な結果が得られていない状況です。

    ■スピロノラクトン
    男性ホルモンのテストステロンを減少させる作用があるため男性には使用できませんが、スピロノラクトンというお薬もあります。
    利尿作用があり、元々はミノキシジルと同様に血圧を下げる作用のある降圧薬でしたが、女性には有効であることが分かってきています。
    お互いに血圧を下げる作用があることからミノキシジルと併用することはなく、ミノキシジルを使用しめまいや頭痛といった副作用が出てしまう方へ代替としてスピロノラクトンを処方する場合があります。

    ■フルタミド・ビカルタミド
    前立腺がんは男性ホルモンが関与する病気なので、フルタミド・ビカルタミドと呼ばれる内服薬も効果があるのでは?と研究が進められています。
    フルタミドに関しては肝機能障害を起こしやすいため、副作用の点から申し上げるとビカルタミドの方が使用しやすいです。
    アンドロゲンを強力に抑制する作用のあるこれらのお薬も女性の薄毛に対しては有効性が示されている反面、今すぐ効果が欲しいのに効果が最大限に認められるのは使用開始から2年後と時間がかかりすぎること、かつホルモン系に作用する抗がん剤なので強力な作用があり、安全性を重視する日本の患者様にはあまり受入れられにくく、浸透しないのではないかと言われています。

    このようにお悩みや体質に合ったお薬の研究が各国で進められています。

    最新のメソセラピー

    メソセラピーは日本でも頭皮に直接アプローチできる治療法としてAGAの治療の中ではかなり浸透してきております。
    注入する薬液も進化しており、幹細胞由来のエクソソームや、PRP療法の有効性が確立されていて比較的に最先端の治療と言われています。

    ■エクソソーム
    エクソソームとは再生医療に分類される物質の名称で、簡単に言うと幹細胞から分泌される袋状の構造物の中にぎっしりと育毛・発毛に有効な成分(成長因子・サイトカイン・DNA・RNAなど)が詰まっており、これを抽出したものをエクソソームと呼びます。

    ■PRP療法
    PRP療法とは自身の血液を採取し、そこから血小板の育毛・発毛に有効な成分だけを取り出し傷口へ注入することで創傷治癒効果を利用し毛根を若返らせる治療法です。

    この2つに関してはこちらの記事でも詳しく解説しております。
    毛根から若返らせる!「メソセラピー」の真実

    薄毛はエクソソームで治る!?再生医療薄毛治療の真実

    毛根を若返らせて薄毛を治す!最新治療"PRP療法"とは

    PRP療法 髪が再生する!? 最先端薄毛治療を体験してみました。

    ■マイクロニードリング
    最近ですとメソセラピーと似ているマイクロニードリングという手法も有効とされています。
    メソセラピーが包皮へ薬液を注入するのに対し、マイクロニードリングは頭皮に針を刺すだけで薬液の注入は行いません。
    発毛を促したい箇所へ故意に傷をつけ、止血の役割を果たす血小板が傷口へ集まるのを利用し、血小板から出る成長因子を発毛させたい箇所へ集めることで毛根の細胞を活性化させ発毛を促すという自然治癒力を利用した方法です。
    同じように針で傷をつけますが、同時に薬液を注入していくメソセラピーのほうがより効果は高く出ると思います。

    ■ボトックス
    意外なところではボトックスも有効だといわれています。
    詳細な作用機序に関してはまだ分かっていませんが、ボトックスは毛包に対してジヒドロテストステロンの作用を抑制するような効果があるらしいということでまでわかっており、十数人規模の研究ではありますが有効性が示されたというデータがあります。
    これもまた単独の治療よりもフィナステリドやミノキシジルの内服薬と併用することで、より有効性が高まると言われております。

    その他の治療方法

    昔から知られている治療ではありますが、やはりレーザー治療や植毛も未だに選択肢の一つです。
    根本解決にはなりませんが、リスクの少ない方法を選ぶ方の中には既にカツラやアートメイクを試された方もいらっしゃるのではないでしょうか?

    諸説あり、やはり医薬品には勝てないところではありますが栄養療法というものも存在しますので参考程度にご紹介します。
    不足すると毛髪の老化や脱毛に繋がると分かっている栄養素
    ビタミンD・ビタミンB12・鉄・葉酸・セレンなどです。
    育毛に関してはこの様な栄養素を補給してあげることが重要です。

    しかし、たくさんの栄養素を毎日の食事から取るというのは大変ですよね。
    このような栄養療法から始めたいという方向けに髪の成長を助ける栄養素を複合的に配合したパントガールというサプリのようなお薬もあり、手軽に始めたい方におすすめです。

    育毛に良い成分であっても、取り過ぎには注意が必要です。
    セレンやビタミンA・ビタミンEなどは過剰に取りすぎると脱毛を助長してしまうことも知られていますので、たくさん摂取すれば良いというわけでもなさそうです。

    他にも発毛に有効ではないかと研究が進められている成分に、ノコギリヤシ・ビオチン・カフェイン・ローズマリーオイルなどがありますが、まだ確証は得られていない状況です。

    なかなか栄養素の摂取だけで医薬品ほど効果や変化があるかと言えば、はっきり分からないところですので参考程度にとどめるのが良いでしょう。
    しかし、食べたものから体がつくられることを考慮すると、毛髪のために生活習慣や食生活を見直すという観点からすると効果が全くないとは言い切れないため、試す価値はあるのかもしれません。

    今回のまとめ

    AGAの治療は外用薬・内服薬・メソセラピーいずれもまだまだ発展する可能性があります。
    ニキビの治療薬やがんの治療薬がAGA治療に効果がないか現在も転用が試みられており、今後の実用化が期待されています。

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    記事監修者

    勇 亜衣子
    一般社団法人Next Beauty Labo 代表理事
    Dr. TOUHIクリニック 総括院長

    勇 亜衣子

    いさみ あいこ
    【経歴】

    東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
    脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr. TOUHI AGAクリニック」「Dr. TOUHI ヘアメディカルサロン」開院

    Dr. TOUHI YouTubeチャンネル

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