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「円形脱毛症」という言葉を聞くと、「ストレスが原因」と考える方が多いかもしれません。
しかし、そのメカニズムは複雑で、自己免疫・ホルモンバランス・遺伝など、複数の要因が関わっており、単なるストレスだけで片付けられるものではありません。
そこで今回はこの円形脱毛症のメカニズムや従来の治療法、そして当クリニックで行っている再生医療を用いた治療まで、詳しく解説していきます。
今、脱毛に悩んでいるあなたにとって、一歩踏み出すきっかけとなれば幸いです。
円形脱毛症は神出鬼没
円形脱毛症はご本人も知らないうちに発症していたというケースも実は多く、いつの間にか小さな脱毛を発症していた、普段見えない箇所に発症し、気づかないうちに治っていたというパターンも少なくありません。
通常であれば発症しても自然と治っていくものですが、重症化し悩みが深くなるというケースは意外と少なくないのです。
クリニックを開設して感じていることですが、思ったよりも円形脱毛症でお悩みの方は多く、そのような方は総じて原因や治療法がわからず、大きな不安を抱えて相談にいらっしゃいます。
円形脱毛症の原因とは?
円形脱毛症は「ストレスが原因」というイメージが強いようですが、医学的に説明をすると、円形脱毛症は自己免疫疾患のひとつであると考えられています。
■自己免疫疾患とは
自己免疫疾患とは、本来は体を守るべき免疫細胞が、何らかのきっかけで誤って自分の組織を攻撃してしまう病気です。
自己免疫疾患が肌に発症するとアトピー性皮膚炎、頭部に発症すると円形脱毛症になります。
ほかにも有名なところで言うと「喘息」、「関節リウマチ」などがあり、これらの総称を自己免疫疾患と呼びます。
円形脱毛症が多い年齢と性別は?
円形脱毛症は、特定の年齢層や性別に限らず発症するため、乳幼児からご高齢の方まで、どなたにも発症する可能性があります。
自己免疫疾患の誘因やきっかけになるもので有名なのがストレスですが、遺伝的要因も大きく関わっている可能性があります。
相当なストレスを受けているにもかかわらず、自覚のないという若い方も多いため、当クリニックにも10代〜20代の若い方からのご相談も多くあります。
性別により大きな差があるなどといったデータはありませんが、特に女性はホルモン変動(出産、月経、更年期など)のストレスが影響し、発症リスクが相対的に高まります。
このことから、更年期の女性がホルモンバランスの乱れをきっかけに円形脱毛症を発症してしまうと考えられ、40~50代女性がご相談に来られることが多くあります。
また、女性の方が髪の毛の変化に気づきやすく、人目に触れることに対する精神的な負担が大きいことから、積極的に受診をされる傾向にあることも関係しているのかもしれません。
円形脱毛症で受診する目安
世間的に10円禿げと言われるような大きさまでの一過性の円形脱毛症は、自然に治ることもありますので、そこまで心配する必要はないでしょう。
【治療を行った方がいいケース】
•脱毛箇所が場所を変え再発する
•多発型や広範囲の脱毛に進行している
•全頭型といわれる毛髪がほとんどない状態が続く
•頭以外の場所の毛も抜け落ちてしまう汎発型
重症度により様々で、治療が必要なほど難治性のものや重症度が高いもの、特に脱毛の範囲が広い、発症から時間が経っている場合には、お悩みの個所は1~2か月で治ったように見えても場所を変えて再発するケースもあるため、ご自身の脱毛タイプや重症度、発症からの期間など、症状に応じてより専門的な知識と経験をもつ専門医への相談をお勧めします。
円形脱毛症の治療は、長期にわたる可能性があり、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、治療法を柔軟に変更していく必要があります。
専門クリニックにご相談いただくことが、早期の改善につながる鍵となります。
皮膚科とDr.TOUHI CLINICの治療の違い
■皮膚科で行う治療について
円形脱毛症の治療は、基本的には皮膚科で行うことが多く、皮膚科では主に免疫の異常を抑えることが目的の治療となり、ステロイドの飲み薬や塗り薬、局所注射、または免疫抑制剤と呼ばれる種類のお薬を併用するケースが多くあります。
これらは、一定の効果を示すこともありますが、予防や再び発症しにくい状態を目指すというものではない為、今ある円形脱毛症への対応が主となり、進行が速いケースや再発傾向の強いケースでは十分な改善が得られないこともありますので、再発にお悩みでの方は特に注意が必要です。
Dr.TOUHI CLINICの円形脱毛症治療
Dr.TOUHI CLINICでは、再生医療を取り入れた治療に注力しています。
肌質を整えることで円形脱毛症の原因を根本から改善させ、肌質へ変えてゆき、再発しにくい肌の土台を作ります。
標準治療だけではなかなか効果が出なかった方、より積極的に治療したい方、副作用を懸念される方は、再生医療を用いた治療のアプローチをおすすめします。
皮膚科治療でなかなか改善されなかった方が、再生医療を併用することで改善例を得たケースがあります(詳細は当クリニックの症例をご覧ください)。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
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頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。