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薄毛や抜け毛のお悩みは、多くの方が抱えているにも関わらず、なかなか人には相談しにくい、デリケートな問題です。
特に、AGA(男性型脱毛症)の治療においては、「本当に効果があるのだろうか」「どのくらいの期間で結果が出るのか」という不安をお持ちの方も少なくありません。
治療にはもちろん個人差があるため、すべての人に同じ結果が出るわけではなく、短期間での変化を感じる方もいれば、ゆっくりと時間をかけて改善していく方もおられます。
もし、治療の継続に迷いを感じている方がいらっしゃるならば、実際に同じお悩みを持つ方がどのようなプロセスを踏んで変化を感じたかを知ることで、自分の治療のイメージがしやすくなるかと思います。
今回ご紹介する患者様は、AGAの治療を2年半継続された男性です。
長期治療でどのような変化が現れるのかを具体的にご紹介いたします。
30代男性患者様の背景
患者様:35歳男性
嗜好品:喫煙なし・飲酒月2回程度
睡眠時間:5~6時間
髪のケア:シャンプーのみ使用。ドライヤーは使用していない。
パーマやカラーも行っていないため、頭皮への負担は少ないように感じます
お悩み:頭皮の硬さで悩んでいる。20代後半から薄毛にも気づき始めていた
改善要望:M字ハゲ部分については治療を諦めている。今回は頭皮の硬さ・コリの解消のため定期的にメディカルヘッドスパに通いたい
この患者様は、開院初期から通院を続けてくださっている方で、治療開始から2年半以上が経過しました。
写真は、初診時のものとなります。
治療を継続されたことで、現在は髪全体のボリュームや生え際のラインに更に大きな改善が見られています。
当クリニックの症例紹介でも初期にご紹介させていただいた方で、生え際のお悩みで来院されました。
▼過去にご紹介した記事はこちら
AGAの治療プラン
<ご来院当初 1年目の治療内容プラン>
■内服薬 2種類
抜け毛の進行を抑えるフィナステリド
発毛を強力に促進するミノキシジル
■月1回の専門治療
頭皮環境を整えるメディカルヘッドスパ
頭皮へ有効成分を直接届ける発毛注射
まずは1年間しっかりと治療を行うこととし、複合的なアプローチで集中的にケアを行うことにしました。
その甲斐あって、治療開始からわずか3ヶ月目の時点でも、既に目覚ましい変化が見られ、非常に良いスタートを切ることができました
治療開始前の写真では、生え際の後退と頭頂部の地肌の透け感が顕著でした。
しかし、1年間の集中治療を経て、望ましい改善が得られたことから、2年目以降は治療内容を少し調整し、継続治療へと移行しました。
<2年目以降の治療プラン>
■内服薬 2種類(フィナステリド、ミノキシジル)
■月1回のメディカルヘッドスパ
発毛注射での集中治療を終了し、内服薬と頭皮の血流改善で内服薬の効果をあげるメディカルヘッドスパを継続し、状態の維持・発毛・育毛に力を入れることになりました。
メディカルヘッドスパは、髪一本一本に太さや、ハリやコシをもたらす効果があり、髪質の改善も期待できます。
飲み薬と合わせて継続される方は非常に多く、治療効果の維持に大きく貢献してくれます。
長期的な発毛維持には、「集中的な1年+安定維持のメンテナンス」を意識した治療設計がとても重要です。
当院の症例の中でも、こうした段階的な治療計画で大きな成果を出された方は多くおられます。
【衝撃ビフォーアフター】写真で見る2年半のAGA治療効果
初診時のお写真と、1年後、そして直近の2年半経過時のお写真を比較すると、その変化に驚かれるかもしれません。
◆治療前の状態
ご来院当初は、額の生え際が深く後退している状態、いわゆる「M字」の食い込みが強く見受けられました。
◆1年間の治療経過
3ヶ月目にはすでに産毛の発毛が見られており、1年間集中的な治療を頑張っていただいたことで、生え際の食い込みは大きく改善し、ラインがなだらかになってきました。
髪全体の密度が明らかに増加していることも確認でき、この時点で、ご本人様も「別人みたいだ」と感じるほどの変化でした。
◆2年半(最新)の治療経過
そして、1年経過時と比較しても、さらに生え際のラインが前進し、密度の濃さが増しているのが分かります。まるで植毛をしたかのような、劇的な発毛効果が確認されています。
AGA治療について
AGA治療は、最初の数ヶ月で「ぐん!」と一気に改善する時期があります。
そのため、その後は治療を継続していても、ご本人様の感覚として「停滞している」「あまり変わっていないかも」と感じてしまう方が少なくありません。
これは、最初の伸び率が非常に高いため、後半の変化が緩やかに見えるためです。
しかし、毎月わずかな変化であっても、半年、1年、そして今回のように写真や毛髪の太さ等を記録に残し、年単位で比較すると、着実に、そして確実に改善し続けていることが分かります。
治療を続けている限り、変化は必ず出ています。
大切なのは、すぐに諦めず、その効果を信じて継続していただくことです。
当クリニックでは、毎月のお写真撮影に加え、頭皮の状態や髪の太さといった各種データも記録し、客観的な変化をご本人様にもご確認いただいています。
停滞期と感じる時でも、データが「確実に良くなっている」ことを示してくれれば、それが治療を継続する大きなモチベーションとなります。
この患者様も、まだ生え際に伸び代があり、治療を継続することで、これからさらに改善していくことが期待できます。
▼当クリニックの症例をご紹介しています
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フィナステリドは妊活に影響する?副作用について解説
AGA治療を検討される、特に30代〜40代の男性からよくあるご相談のひとつに、「フィナステリドを服用していても、今後の妊活に影響はないですか?」「不妊の原因にならないでしょうか?」というものがあります。
今回の患者様も同じご不安をお持ちでしたが、妊活中に一時的な休薬をしながら治療を継続し、まもなくお子様が誕生される予定です。
これは多くの方にとって希望になる事例ではないでしょうか。
フィナステリドの副作用は極めて少なく、ほとんどの患者様において、深刻な副作用は見受けられません。
肝機能や動悸、ホルモンバランスに影響を及ぼすケースも稀です。
また、ミノキシジルによる「むくみ」や「体毛の増加」なども見られることがありますが、これも個人差が大きく、飲んでみなければ分からない側面もありますが、もしむくみなど気になる症状がありましたら、内服薬の容量を調整するなど、ご本人様と細かく相談しながら最適な治療を続けていくことが可能です。
いずれも医師が適切に用量調整を行うことで、安全に継続することが可能です。
お薬を怖がるよりも、「正しく管理しながら上手に付き合う」ことが大切です。
フィナステリドが不妊の直接的な原因となる確率は極めて低いことが分かっていますので過度に不安に感じる必要はありませんが、副作用が気になる方に対しても、体調やライフステージに合わせた治療プランを提案していますので、是非ご相談ください。
まとめ
今回の症例からもわかるように、AGA治療は「即効性」よりも「継続性」が鍵となります。
髪は1日で生まれ変わるものではなく、時間をかけて育つ“生きた組織”です。
特に薄毛治療は、長い付き合いになることもあり、その過程で不安を感じたり、治療を休止したくなったりする瞬間があるかもしれません。
治療を始めて数ヶ月で変化を感じる方もいれば、1年、2年とかけてじっくり回復される方もいます。
重要なのは、「焦らず、信じて、治療や頭皮ケアを続けること」。
薄毛に悩まれている方の中には、治療を続けても変わらないのでは…と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、しっかりと続けていけば、確実に変化は積み重なります。
ご自身の髪を取り戻すということは、見た目の変化だけでなく、気持ちや自信を取り戻すことでもあります。
もし今、治療に迷っている方がいらっしゃれば、無料頭皮診断でまずは一度、頭皮の状態を知ることから始めてみてください。
YouTubeやコラムなどで頭皮ケアやマッサージ、お悩み別の対処法などを発信していますので、是非参考にしていただき、無理のないペースで、ご自身に合ったAGAケアを一緒に見つけていきましょう。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
YouTubeチャンネル
わたしたちはYoutubeを通して、医学的エビデンスに基づいた髪・頭皮に対する正しい情報を発進しています。
頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。






