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iPS細胞(人工多能性幹細胞)の登場は医療界に大きな革命をもたらしました。
「理論上は何でも作れる」と言われ、現場でも非常に注目されている一方で、
「iPS細胞ってよく耳にするけれど、実際には人間の体の何が作れる段階まで来ているの?」
「ニュースで見る夢の再生医療は、もうクリニックで受けられるの?」
など、実際にそれがどのように患者様の治療に応用されているのか、具体的な進捗はなかなか見えにくいものですよね。
現に実際の医療として患者様に届けられるレベルに達しているものは、臓器や組織によって進捗が大きく異なります。
現在の医学界でどこまで研究が進んでいるのか、毛髪分野への応用や、Dr.TOUHI CLINICではこの技術をどのように薄毛や白髪の治療に活かしているのかなど、当院提供している最先端の毛髪再生医療についても、専門医の視点から詳しく解説いたします。
iPS細胞とは何か?万能細胞の基礎知識
そもそもiPS細胞とは何なのか、簡単にその基礎知識をご説明します。
一般的に「幹細胞」と呼ばれるものは、私たちの体の中の特定の臓器に存在しています。
例えば、お腹の脂肪から採取した幹細胞はお腹の脂肪を作るためのもの、血液から採取した幹細胞は血液になるためのもの、というように、将来の行き先があらかじめ決まっています。
しかし、iPS細胞はそれらのさらに前段階にあたる「多能性幹細胞(万能細胞)」を、人工的に再現したものです。
これは頭からつま先まで、人間の体にあるすべての細胞の元になる能力を持っています。
そのため、iPS細胞さえあれば、理論上は「体全体のあらゆる組織や臓器を作り出すことができる」と言われているのです。
各臓器への応用と現在の研究進捗
「何でも作れる」という理論を、実際に人間の臓器として形にするにはそれぞれの領域で高度な技術が必要とされており、現在の研究進捗は臓器ごとに異なります。
現在、研究が最も進んでいる領域の一つが「目」です。
「網膜色素上皮細胞」や「角膜上皮細胞」といった、目の奥や表面の細胞の「細胞シート」をiPS細胞から作り出し、実際の目に移植する研究が行われています。
角膜の細胞は一度失われると自然に再生することはないと言われてきたため、これが実用化されれば、失われた視力を回復させる画期的な治療になります。
現在は臨床試験(治験)などで一部使われてはいますが、まだ国から一般向けに広く認められている段階ではありません。
一方で、最近になって厚生労働省から正式に治療適用(臨床応用や治験の承認など)として認められ、大きく研究が進んだのが「心臓」と「脳」の領域です。
• 心臓への応用(心不全など)
iPS細胞から「心筋シート」を作り、弱ってしまった心臓に直接貼り付けることで、心臓のポンプ機能を回復させる治療研究が進んでおり、多くの心不全患者様にとって、大きな希望となっています。
• 脳への応用(パーキンソン病)
神経内科の病気の中でも非常にメジャーな「パーキンソン病」は、脳内のドーパミンという物質が枯渇してしまう病気です。この治療では、ドーパミンを産生する前段階の「前駆細胞」をiPS細胞から作り出し、それを脳内に補うことで症状の改善を目指す治験や実際の活用が始まっています。
これらは非常に素晴らしい技術ですが、現在は誰もがすぐに受けられるわけではありません。
莫大な費用がかかる治療であることや、国が定めた厳格な適応条件をクリアする必要があるため、広く一般的な選択肢になるにはまだ課題も残されています。
▼治療適応が認められた!iPS細胞を活用した治療で医療の未来が変わる!
iPS細胞で髪の毛を再現する難しさ
では、私たちの専門領域である「髪の毛(毛髪)」は、iPS細胞から作り出せるのかについてもお話ししていきます。
結論から言うと、世界中で研究が重ねられており、動物実験のレベルでは「毛根を作ってそこから実際に髪の毛が生える状態が再現できた」というところまで成功している研究もあります。
しかし、これを人間の治療として完全に実用化するのは、実は非常に難しいのです。
なぜなら、髪の毛の組織は皆さんが想像する以上に、はるかに複雑な構造をしているからです。
髪の毛が生まれる毛穴の奥には「毛包(もうほう)」という小さな組織がありますが、これは一つの細胞ではなく、複数の異なる細胞が絶妙なバランスで集まって出来上がっています。
• 髪の毛の元となる「毛包幹細胞」
• 髪を成長させる「毛母細胞」
• 髪に指令を出す「毛乳頭細胞」
• 髪に色をつける「メラノサイト(色素細胞)」
このように何種類もの異なる細胞をiPS細胞からそれぞれ正確に作り出し、なおかつそれらを正しく配置して「毛包という一つのミクロな世界」を完全に再現しなければ、元気な髪の毛が生えてくることには繋がりません。
どれか一つの細胞ができただけでは不十分なため、iPS細胞から髪の毛そのものを完全にゼロから作り出す実用化への道は、まだ少し遠い道のりであるのが現状です。
世界中で研究が行われておりますので、一刻も早く実現することを願っています。
iPS細胞培養上清液を使った再生医療
「では、今の段階ではiPS細胞の恩恵は受けられないの?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
iPS細胞から髪の毛自体を作り出すというのは難しいですが、Dr.TOUHI CLINICでは、髪の毛そのものをゼロから作り出す一歩手前の段階として、iPS細胞の技術を活用した再生医療をすでに実用化し、多くの患者様に提供しております。
iPS細胞そのもの使う治療ではなく、「iPS細胞由来の培養上清液(ばいようじょうせいえき)」を使用する治療法です。
iPS細胞を培養する過程では、細胞から非常に若々しく栄養価の高い高濃度な成分(成長因子やエクソソームなど)が大量に分泌されます。
その貴重な成分だけをギュッと凝縮した上清液を、頭皮に直接注射したり点滴で投与したりすることで、衰えてしまった毛根や頭皮の細胞を強力に活性化させ、髪質改善、発毛促進、そして白髪の改善を目指すことができます。
実際に目の前で起きている「白髪改善」の変化
一般的な薄毛治療でのビフォーアフターはよく見かけると思いますが、当院でこのiPS細胞培養上清液の治療を受けられている患者様を診ていると、「白髪の改善」において私自身も驚くほど明らかな変化が出ているのを目の前で実感しており、iPS細胞の持つ再生の力は本当にすごいなと感じる瞬間です。
普段から白髪染めをされている患者様の場合、ご自身では「本当に白髪が減っているのかな?」と変化に気づきにくいこともあります。
しかし、治療を続けていくうちに、患者様からこのようなリアルな実感を伺うことがよくあります。
「いつもなら月に1回染めて、1か月経つと『あ、そろそろ白髪が目立ってきたから染めなきゃ』と思っていたのに、1か月経っても白髪があまり気にならなくなった。白髪染めに行く周期が伸びて、色持ちが良くなったように感じる」
これは、新しく生えてくる根元の髪に、再びメラノサイト(色素細胞)の働きが戻り始めている何よりの証拠です。目に見える毛量だけでなく、髪の「色」や「艶」といった髪質そのものが、土台から若返っていることを示しています。
まとめ
今回は、iPS細胞の最先端の研究進捗から、髪の毛への応用の難しさ、そして当院で提供している実用化された毛髪再生医療についてお話しいたしました。
iPS細胞から毛根そのものを完全に作り出し、実用化されるにはまだ時間がかかりますが、その圧倒的な生命力を秘めた成分を活用した「iPS細胞培養上清液」による治療は、すでに薄毛や白髪に悩む多くの患者様の救いとなっています。
「年齢とともに白髪や薄毛が気になってきた」
「これまでの治療では満足いく結果が出なかった」
という方にとって、この治療は新しい選択肢になるはずです。
無料頭皮診断でご自身の頭皮にどのようなアプローチが最適なのか、まずは現在の状態を知ることから始めましょう。
気になる方はぜひ一度お気軽にご相談ください。
記事監修者

Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
Dr.TOUHI
YouTubeチャンネル
わたしたちはYoutubeを通して、医学的エビデンスに基づいた髪・頭皮に対する正しい情報を発進しています。
頭皮のベテラン経験則を持つ元美容師と、東大卒の医師が皆さんの髪の悩みを解決します。






