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薄毛の進行度合を判定するハミルトン・ノーウッド分類をご存じでしょうか?
「M字型」・「O字型」など薄毛になる部分・進行度の違いによって、効果的な治療方法があるため、違いを詳しく解説致します。
AGAの種類は1つではない
薄毛というとみんな同じだと思いがちですが、AGAの進行パターンは様々あり、その進行度によっても有効な治療法に違いがあることがわかっています。
ハミルトン・ノーウッド分類
AGA(男性型脱毛症)の進行具合を7つの段階に分けて表したもので、1番有名なものハミルトン・ノーウッド分類とよばれるもので、世界共通の基準として広く使われています。
AGAはどのパターンでも、生え際から始まると言われています。
進行の仕方は人によって様々ですが、大きく分けて以下のパターンがあります。
・M字型
生え際がM に後退していく「M字型」は多くの男性に見られる一般的なパターンです。
・O字型
日本人には特有のパターンがあると言われています。
生え際に強く症状が出ないのに頭頂部が薄くなりやすいパターンがあり、「O字型」や「頭頂部型」と呼ぶこともあります。
AGAの進行は大きく分けるとその2パターンですが、日本人向けにハミルトン分類が枝分かれし日本人に多い型が記載されています。
AGAの根本原因
AGAの根本原因になっている5α-還元酵素という酵素にはⅠ型・Ⅱ型があり、体内の異なる部位に多く存在しています。
Ⅰ型: 皮脂腺に多く存在し、皮脂の分泌を促進する働きがある。
Ⅱ型: 毛包に多く存在し、DHTを生成しAGAを引き起こす主要な原因。
特に、Ⅱ型は毛髪(特に生え際)と頭頂部に多く存在するため、これらの部位で脱毛が起こりやすいという特徴があります。
このことからAGA患者さんの多くは該当の部位から薄毛が進行していくのです。
自分の姿を毎日見ていると変化に気付きにくいため、薄毛になっていても気付かないことから、最初に進行する生え際の薄毛は治療したいと思った時にはかなり進んでいるため、最も治療が難しい場所とされています。
また、頭頂部の薄毛は目立つため薄毛に気付きやすく、生え際よりも治療しやすい傾向があります。
AGAは早期治療がカギなので、薄毛に気付いたら早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
進行度に合わせた適切な治療
内服薬での治療は2種類の薬を組み合わせることで効果が高まります。
・フィナステリド・デュタステリド
薄毛の原因となる5α-還元酵素を阻害し、薄毛の進行を抑える5α-還元酵素阻害薬と呼ばれるお薬です。
AGAの進行度が強い方、生え際に強く薄毛の症状が出ている方にはデュタステリドが効果的であるというデータが出ている。
・ミノキシジル
発毛を促進する役割がある。
初期段階のつむじ回りの治療はフィナステリドの内服薬1種で症状が改善してくるという方もいらっしゃいますが、やはりAGAは進行性の病気なので、どこかのタイミングでお薬1種だけでは症状が抑えられず進行してしまうということが必ず起きてしまいます。
・AGAの治療について
AGAの治療については、ヘッドスパを併用し頭皮環境を整える・内服薬だけではなく、注射治療などの色々な治療を組み合わせ、アプローチ方法を変えて治療を強化していくのが良いと考えます。
症状により治療法が異なりますので、ただ薬を飲めばいいと自分で判断せず、専門医に相談することで、最短で結果が出る治療方法を見つけられます。
頭皮ケアの重要性
頭皮ケアはAGAや薄毛にお悩みの方にとって治療と並んで非常に重要な要素です。
ヘッドスパでしっかりマッサージをし、血行促進した後に注射での治療をすると、薬の浸透力が高くなることがわかっています。
内服薬に関しても、日々の頭皮マッサージを続けることで必要な箇所に薬の成分を届けることができ、治療効果が変わってきます。
月一回のヘッドスパは有効ですが、日々のケアに勝るものはありません。
美容液で頭皮の保湿を高める
頭皮ケアと呼ばれるものには、マッサージだけではなくスキンケアも含まれます。
頭皮も顔と一枚の皮膚で繋がった同じお肌なので、同じようにスキンケアが必要と考えていただければわかりやすいと思います。
顔の肌をしっかりケアしているのと同じように、頭皮も保湿することが大事です。
頭皮専用のオールインワン美容液もありますので、毎日朝や晩のドライヤー前、お出かけ前や乾燥が気になるときにもしっかり保湿をしましょう。
継続することで頭皮の状態がまったく変わります。
頭皮状態を記録する
治療やホームケアの成果というのがわかりにくいと、どんなに効果があっても続けるのが面倒になりがちです。
当クリニックでは治療の度に頭皮の状態を記録していますので、ホームケアをしっかりやっていただくと本当に分かりやすく頭皮状態が変わっていくのを感じていただけますので、患者様のモチベーションUPにも繋がっています。
記事監修者
Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
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