目次
唯一発毛効果が認められている内服薬
AGAを治療する際に基本となるのは内服薬です。
ミノキシジルは「唯一の発毛効果が認められている薬」です。
今回はミノキシジルのメリット・デメリットについてしっかりと解説致します。
・ミノキシジルの内服薬は国内未承認薬
内服薬に関しては国内未承認薬であることから、インターネットで検索するとミノキシジルの悪い評価も出てくるため、薬に対してネガティブな印象を持たれている方もいるのではないでしょうか。
・ミノキシジルの服用の選択肢について
ネガティブな印象からAGAの治療を行う際に、ミノキシジルの服用をためらってしまう方も実は結構いるのではないかと思います。
発毛効果の高い薬を服用できるチャンスを正しい知識をもたずに、ネガティブなイメージのみで服用をしないということは、治療の選択肢を狭めてしまっており、もったいなさを感じます。
AGA診療ガイドラインAランク(外用薬)
・ミノキシジルの外用薬について
エビデンスがあり、しっかり発毛効果が認められていることから、AGA診療ガイドライン(2017年)では最も推奨度の高いAランクに位置付けられています。
・薬局とクリニック処方の違い
薬局で処方箋なしで購入できる、OTC医薬品(市販薬)に分類されているものもありますが、薬局で購入できるものは濃度が2%~5%と低濃度なものに限られるため、自分の症状・進行度に合っていない場合は効果が感じにくい可能性があります。
その点、クリニックで処方される外用薬については、症状の進行度に応じ医師の判断のもと処方される薬なので、濃度が高いものも扱っており、症状に合った最適な濃度で処方した薬を服用できるので、治療効果が出やすいと言えます。
内服薬は推奨ランクD 効果・安全性は?
内服薬については、AGA診療ガイドラインでは最も推奨度の低い「推奨ランクD」つまり行うべきではないに位置づけられています。
・推奨ランクDの理由
ミノキシジルの内服薬が「危険だから・効果がないから」といったことではなく、何百人~何千人規模での臨床研究がなされていないため、効果・安全性についてまだエビデンスが不十分な状態と判断したという意味合いが強いです。
このような理由から国としてはまだ認められない・日本のガイドライン上では行うべきではないという位置づけになっているのです。
・ミノキシジルの内服薬の安全性
ただ、実際の論文などを紐解いていくと、しっかりと効果も実証されており、私としても当クリニックで行ったたくさんの症例を見る限り、ミノキシジルの内服薬を使用し重篤な副作用が出たという方は基本的にいらっしゃらないので、安心して使用できるものだと思います。
ミノキシジルの内服薬についてはこちらでも詳しく解説しています。
未承認のミノキシジルの内服薬は使っても大丈夫!
ミノキシジルの個人輸入は要注意
ミノキシジルがどんなに効く薬であっても、注意して頂きたい点があります。
それは、安いからと個人輸入で購入し使用することで、これはあまりお勧めできません。
・有効成分が入っていない可能性もある
個人輸入で購入する薬には、安全かつ有効な成分だけが入っていると断言できないからです。
なかなか効果が出てこないと思ったら、有効な成分が全く入っておらず、いつまで経っても効果が出ない、個人輸入薬からクリニックの処方薬に替えたとたん効果が出たということも、よく聞く実際にある話です。
・有害な物質が含まれている可能性
有害な物質が含まれている粗悪品もないとは言えず、大変危険です。
万が一副作用が起きてしまった場合にも、どの成分で副作用が起こったのかわからないから治療を行えないというトラブルも考えられるため、これから治療を考えている方も、既にご自身の判断で個人輸入薬を内服していらっしゃる方も注意が必要です。
・クリニックでの処方が安心
成分が保証されている薬をクリニックで処方してもらい、副作用についてもすぐに相談できる環境であるというのが、やはり安心・安全だと思います。
ミノキシジルの用量について
個人輸入で薬を購入し服用している方や、当クリニックに診察に来られる患者様の中にもミノキシジルの内服薬に用量の違いがあることを認識されていない方が多く、ご自身が服用している内服薬の用量をご存じない方がかなりいらっしゃいます。
・症状にあわせて用量を変えて処方
クリニックで処方される薬には、1mg・2.5mg・5mg・10mg・・・このように成分の含有量に段階があり症状にあわせた処方ができます。
お薬というのは基本的に用量が上がるほど効果も高くはなりますが、そのぶん副作用のリスクも高くなってきますので、やはり医師の判断のもと副作用と効果の兼ね合いで最適な処方を受けた薬を使用することが大切です。
服用する濃度とともに重要な、服用のタイミングについてはこちらで解説しています!
【薄毛治療症例紹介】内服薬を飲み続ける重要性
用量以上に内服するとどうなる?
用量以上のミノキシジルを内服し続けるとどうなってしまうのか?
1回に倍量ずつ服用したら効果は倍になるのか?というと、そうとも限りません。
いづれにしても、少ない濃度で効果が出ることに越したことはないので、まずは医師にご相談することをおすすめ致します。
ミノキシジルの容量の違いによる効果や安全性について、詳しく解説している記事がございますので、そちらも併せてご覧ください。
【AGA】どっちが生える?5mg vs 10mg ミノキシジルを徹底比較!【薄毛】
脱毛した後にミノキシジル飲んでも大丈夫?
・脱毛完了後のミノキシジルの服用について
「髭など脱毛をしていますが、ミノキシジルは使えますか?」といったご質問もよく受けます。
髪の毛は増やしたいのに、部分的には脱毛したいという矛盾が起こっていますよね。
結論から申し上げますと、脱毛が完了し既に毛根が死んでいる箇所についてはAGAの薬を服用しても新たな毛が生えてくるということはありません。
・脱毛途中でのミノキシジルの服用
一見脱毛が完了しているように見えていても、色素が薄く脱毛の機械に反応しなかった産毛が残っている場合、その毛は薬の影響をうけて黒く濃くなります。
これだけを聞くと、脱毛した人には使えない薬のように聞こえますが、逆に脱毛しきれなかった産毛を一掃し、完璧に脱毛するチャンスと捉えることもできるため、脱毛の際にミノキシジルの使用を勧めるクリニックもあります。
ただし、これについては医師により見解が違いますので、逆に脱毛の効果が落ちるから服用をお休みするよう勧められることもございます。
ミノキシジルと多毛・脱毛についてはこちらの記事でも解説しています。
ミノキシジルの多毛症は元に戻るのか
あなたの薄毛はAGAが原因なのか?
・薄毛の原因は?
ミノキシジルはAGAに有効な薬であるということをお話ししてきました。
薄毛になったから、ミノキシジルを服用しようとしているあなたの薄毛の原因は本当にAGAなのか?
薄毛の原因の大半がAGAであることは確かですが、AGAだと思い込んでいたが、診察してみると実はAGAが原因の薄毛ではなかったという方も0ではありません。
薄毛=AGAと決めつけず、原因について確認する必要があります。
・AGA以外の薄毛の原因
薄毛の原因がAGAではなかった場合、何が薄毛の原因になっているのか?
薄毛になる原因は、いろいろな可能性が考えられます。
【薄毛の原因の一部例】
・頭皮環境の悪化
・生活習慣
・今まで患ったことのある大きい病気が原因
薄毛の原因により最適な治療法も変わるため、これについては専門の医師の判断を仰ぎ、
薄毛に気付いた時点で頭皮チェックや医師の診察を受けていただくことが大切です。
まとめ
▼ミノキシジルのメリット
・唯一発毛効果が認められたAGA治療薬。
・外用薬は推奨度「A」
・内服薬は推奨度「D」
Dの理由はエビデンスが足りないと判断されているだけで、実際には発毛効果がある安全なお薬。
・脱毛していても使用できて、脱毛しきれなかった産毛を一掃するために使用を勧めるクリニックもある。
▼ミノキシジルのデメリット
・薬の効果は認められていても、身元の分からない個人輸入薬では効果を感じられないどころか未知の成分で副作用を起こす可能性もあり危険を伴う。
ご自身の薄毛の原因がAGAかどうか、頭皮診断やクリニックで診察を受けてご自身の症状のあった用法・用量での使用をお勧めします。
記事監修者
Dr.TOUHI CLINIC 総括院長
勇 亜衣子
いさみ あいこ東京大学卒業 長岡赤十字病院 初期研修修了
脳神経内科を専門としながら、AGA診療に携わったことをきっかけに頭皮や髪のケアの重要性に気付く。2023年、すべての頭皮や髪の悩みに寄り添うクリニック「Dr.TOUHI CLINIC」「Dr.TOUHI SALON」開院
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